中国自動車市場で電気自動車(EV)販売の伸びが鈍化する中、比亜迪(BYD)など大手メーカーがガソリン車の値下げ競争を激化させている。2025年には約20のモデルが10万元(約200万円)未満で販売される見通しで、市場の価格破壊が進んでいる。
EV販売鈍化の背景
中国では2023年までEV販売が急成長したが、2024年に入り補助金縮小や需要一巡により伸び率が鈍化。中国汽車工業協会によると、2024年1-6月のEV販売台数は前年同期比22%増と、前年の倍増ペースから減速した。このため、各社は在庫過剰に陥っており、ガソリン車の値下げで販売を促進せざるを得なくなっている。
大手メーカーの値下げ競争
BYDは2024年7月、ガソリン車「秦PLUS」の価格を7万9800元から7万6800元に引き下げた。長城汽車や吉利汽車も追随し、ガソリン車SUVの値下げを実施。業界アナリストは「2025年までに10万元未満のモデルが20車種に達する」と予測する。一方、EVの値下げも同時に進んでおり、BYDのEV「海豚」は9万9800元から8万9800元に値下げされた。
市場への影響
値下げ競争は消費者の購買意欲を刺激する一方、メーカーの収益を圧迫。特に中小メーカーは生き残りが厳しくなっている。中国自動車工業協会の担当者は「価格競争は短期的には販売増に寄与するが、持続可能な成長には技術革新とコスト削減が不可欠」と指摘。2025年には中国自動車市場の総販売台数が3000万台を超える見込みだが、利益率は低下傾向が続くとみられる。
今後の展望
値下げ競争の激化は、中国自動車産業の再編を加速させる可能性がある。政府はEV普及策を継続しつつ、過当競争を是正するための規制強化も検討中。業界関係者は「2025年以降、市場は淘汰の時代に入る」と予測している。



