中国の電気自動車(EV)メーカーが日本市場への攻勢を強めている。2024年上半期の日本国内のEV販売台数は前年同期比で約2倍の約4万5000台に達し、うち中国勢のシェアは約15%を占めた。これは2023年通年の約8%から急拡大した数字だ。
中国EVメーカーの日本参入ラッシュ
BYD(比亜迪)は2023年に日本市場に乗用EVを投入し、2024年には小型SUV「ATTO 3」やセダン「SEAL」を追加。2025年までに100店舗の展開を目標とする。また、上海汽車集団(SAIC)のブランド「MG」も2024年からEVの販売を開始し、2025年までに30店舗体制を計画。さらに、浙江吉利控股集団(Geely)も2025年をめどに日本市場に参入すると報じられている。
トヨタの戦略転換を迫る中国勢
これに対し、トヨタ自動車は2026年までに次世代EVを投入する計画だが、市場の変化に追いついていないのが実情だ。トヨタの2024年上半期の国内EV販売台数は約1万2000台で、前年同期比で約1.5倍増にとどまった。同社はハイブリッド車(HV)に強みを持つが、EVシフトの波に乗り遅れているとの指摘は根強い。
価格競争と補助金制度の影響
中国EVの強みは価格競争力だ。BYDの「ドルフィン」は約360万円からと、同クラスの日本車より100万円以上安い。さらに、中国政府の補助金や生産コストの低さが価格競争力を支えている。一方、日本政府はEV購入補助金を最大85万円に拡充したが、2024年度予算では前年度比で約2割減の約1000億円に縮小される見通しだ。
業界関係者は「日本市場はこれまで海外メーカーにとって参入障壁が高いとされてきたが、EVではその壁が低くなっている」と指摘する。中国勢の攻勢により、日本メーカーはEV戦略の加速を迫られている。



