前回に続き、今回は装備を徹底比較
BYDの軽EV「ラッコ」には、200、300Plus、300Premiumの3つのグレードが用意されている。前回は航続距離や充電速度といった性能面を比較したが、購入後の満足度を大きく左右する装備の違いも見逃せない。実はラッコの場合、性能差以上に装備の差が顕著だ。特に300Plusと300Premiumには、一般的な軽自動車では上級グレードでしか味わえない快適装備が数多く投入されている。
200は「必要十分」のベーシック仕様
エントリーグレードの200は、装備を必要最小限に絞りつつ、安全装備はしっかりと充実させている。アダプティブクルーズコントロール(ACC)、自動緊急ブレーキ(AEB)、車線逸脱警告(LDW)、車線逸脱防止(LDP)などを標準装備。エアバッグも前席、サイド、カーテンを含む6個を備える。
一方、快適装備は必要最小限だ。シートヒーター、ステアリングヒーター、デジタルキー、後席サンシェードは備わらず、ホイールはスチール、オーディオスピーカーは2個のみとなる。「とにかく安くラッコに乗りたい」という人向けの割り切った仕様といえるだろう。
300Plusで快適装備が一気に充実
装備面で最も注目したいのが300Plusだ。200との価格差は25万3,000円だが、その分、装備の充実度は大きい。200比で追加される主な装備は以下の通り。
- シートヒーター
- ステアリングヒーター
- アルミホイール
- 直接式タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)
- 幼児置き去り検知
- Bluetoothデジタルキー
- NFCキー
- 前席シートバックテーブル
- 後席サンシェード
- 前席背面ポケット
- 6スピーカーオーディオ
特に注目はシートヒーターとステアリングヒーターだ。EVは暖房を使うと航続距離に影響が出やすいが、体が直接触れる部分を効率的に温められるため、冬場の快適性が大きく向上する。スマートフォンをキーとして使えるデジタルキーも、現代のユーザーにとっては魅力的な装備だろう。
300Premiumだけの上質装備
最上級の300Premiumになると、快適装備はさらに上質になる。Premium専用の装備は次のとおり。
- ハンズフリースライドドア:足元に投影されるガイド位置に足をかざすだけでスライドドアを開閉できる。
- BYDアラウンドビュー:全周囲モニターを300Premiumだけが装備。全高1,800mmのスーパートールワゴンながら、駐車時の安心感を高める。
- 運転席6Way電動シート:200と300Plusは手動だが、300Premiumは電動調整式。
- 合成皮革シート:200はファブリック、300Plusは防水仕様の高級ファブリック。300Premiumはブラック&ベージュまたはブラックの合成皮革シート。
- ホットカップホルダー:前席に保温機能付きカップホルダーを装備したユニークな機能。
ボディカラーもグレードで異なる
選択できるボディカラーもグレードによって異なる。200では「アークティックホワイト」「コスモスブラック」「チーズイエロー」の3色のみ。300シリーズではこの3色に加え、「アークティックブルー」「ミッドナイトグリーン」「ルビーレッド」が選べる。赤や緑のラッコに乗りたいなら、300Plus以上を選ぶ必要がある。
結論:装備重視なら300Plus、質感重視なら300Premium
装備内容を整理すると、200は必要最低限、300Plusは日常に効く快適装備を一気に追加、300Premiumは上質さと利便性を追求した構成といえる。300Plusの満足度はかなり高いはずだ。一方、300Premiumの性能は300Plusと同じで、その代わりにアラウンドビューモニターや電動シート、合成皮革シートといった上質装備が与えられている。
300Plusと300Premiumの価格差は9万9,000円。この差に価値があるのかどうかは、購入検討者が最も迷うポイントだろう。次回はこの2グレードを直接対決させながら、価格差の評価を考えてみたい。



