中国の電気自動車(EV)最大手、比亜迪(BYD)は2024年8月28日、2024年上半期(1~6月)の決算を発表した。純利益は前年同期比24.4%増の136億3100万元(約2726億円)となり、過去最高を更新した。売上高は同15.8%増の3011億2700万元(約6兆円)に達した。
EV販売台数で世界首位を維持
BYDの2024年上半期のEV販売台数は、前年同期比18%増の約72万6000台。世界のEV販売台数ランキングで首位を守った。中国市場では、補助金政策や値下げ競争が激化する中でも、堅調な需要を取り込んだ。
同社は2024年通年のEV販売目標を約160万台と設定しており、達成に向けて順調な滑り出しを見せている。また、プラグインハイブリッド車(PHEV)の販売も好調で、上半期のPHEV販売台数は約88万台と、前年同期比で約40%増加した。
海外市場への拡大加速
BYDは中国国内市場に加え、東南アジアや欧州など海外市場への展開を加速している。2024年上半期の海外販売台数は約10万5000台で、前年同期比で2倍以上に増加。タイやブラジルなどでの現地生産拠点の整備も進めており、グローバルな供給体制を強化している。
特に欧州では、中国製EVに対する追加関税の引き上げが検討されているが、BYDはハンガリーに工場を建設中で、2025年の稼働を目指している。これにより、関税リスクを回避しつつ、欧州市場での競争力を高める狙いだ。
研究開発投資を拡大
BYDは2024年上半期の研究開発費を前年同期比で約42%増の196億元(約3920億円)に拡大。自動運転技術やバッテリー技術の向上に注力している。同社のブレードバッテリーは、安全性とエネルギー密度の高さで評価されており、他社への供給も拡大している。
また、BYDは2024年内に、自動運転レベル3に対応した車種を市場投入する計画を発表。中国市場では、テスラや新興EVメーカーとの競争が激化する中、技術面での差別化を図る。
アナリストの見方
香港の投資銀行、CLSAのアナリストは「BYDの上半期業績は市場予想を上回る内容で、特に利益率の改善が顕著だ。コスト削減と高付加価値車種の販売増が寄与した」とコメント。BYDの2024年上半期の営業利益率は5.7%と、前年同期の4.8%から改善した。
一方で、中国市場の需要減速や、欧米での貿易摩擦の激化が今後のリスク要因として挙げられる。BYDはこれらの課題に対し、海外生産の拡大や新技術の開発で対応を急いでいる。



