ビジネスパーソンを悩ませるメールの「うっかり放置」。7月に日本での提供が始まった「Gemini Spark」は、Geminiアプリから使えるパーソナルAIエージェントだ。あらかじめ指示した作業を、Googleの各アプリを横断しながら自動的に実行できる。この仕組みを使えば、Gmailに届いたメールを定期的に巡回し、返信や対応が必要なものを抽出して知らせてもらえるようになる。
返信が必要なメールを通知し、タスク登録する
現在はベータ版として、Google AI ProおよびUltraを契約した個人向けアカウントで利用できる。企業向けプランのアカウントはまだ対象外だ。
毎日大量のメールを受け取る中で、一度既読にしてしまうと、どれが返信が必要なメールなのか見分けがつかなくなることはないだろうか。また、本文に期限付きの作業や手続きが書かれていても、メールを閉じてしまうとうっかり忘れてしまうこともある。
そこで、Gemini Sparkを使って「返信や対応が必要なメール」を選び出す仕組みを作っていく。まずはサイドバー上部のタブを「Spark」に切り替え、以下のように実行したい内容を指示しよう。
実際のプロンプトと設定手順
プロンプトは以下の通り。
「Gmailに届くメールを確認し、返信や対応が必要なメールを既読・未読を問わず確認し、私から返信が必要なメールがあれば通知してください。返信そのものは自動で送信しないでください。また、メールに私が期限までに行う必要がある作業や手続きが書かれている場合は、内容と期限をGoogle ToDo リストに登録してください。一度通知・登録した同じ内容は重複させないでください。広告、メルマガ、不要な自動通知などは対象外にしてください。設定に必要なことがあれば質問してください」
サイドバーのタブを切り替えると、Sparkの画面が開く。指示を送信すると、Sparkから「メールをどのように確認するか」「Google ToDoリストのリマインダーを何時に設定するか」を聞かれた。そこで、メールは1時間ごとに巡回し、リマインダーは期限日の午前9時に設定するよう指示した。
ここでの指示のポイントは、既読メールもチェックの対象にすることだ。未読メールだけを対象にすると「読んだだけれど返信していない」という、まさに今回見落としを防ぎたいメールを拾えなくなってしまう。
設定完了後の動作と注意点
設定が完了すると、指定したスケジュールに従ってSparkがメールを確認する。返信が必要なメールが見つかると、送信者や件名に加えて、返信が必要と判断した理由もまとめて知らせてくれた。メールに期限付きの依頼が含まれている場合は、Google ToDo リストにも自動で登録された。
実行結果は、「Spark」タブのサイドバー「ToDoリスト」から確認できる。ブラウザやスマートフォンでGeminiの通知を有効にしておけば、確認結果を受け取ることが可能だ。また「Spark」タブのサイドバーに表示される「ToDoリスト」からも、実行内容の履歴を確認できる。
なお、確認を「1時間ごと」と指定しても、必ずしもきっちり1時間で実行されるわけではない。今回も、設定上は実行時刻が「毎時0分」となっているものの、実際の実行時間にはかなり幅があった。
利便性を高めるための指示【プロンプト紹介】
基本的なメールの確認が問題なく動くことを確認できたら、利便性を向上させるために機能を追加していくとよい。
例えば、すでにGoogle ToDoリストに登録したタスクについて期限の変更などが発生した場合に、既存のタスクの期限が変更されるようにする場合は、以下のように指示すればよい。
「すでにタスクに登録した作業について、期限や作業内容の変更を知らせるメールも『対応が必要なメール』として扱ってください。変更メールを見つけた場合は、送信者、会社名、作業内容、元の期限などを手掛かりに対応する既存タスクを探し、新しいタスクを作らずに期限や内容を更新してください。リマインド日時も新しい期限に合わせて更新してください。対応するタスクを1件に特定できない場合は、自動更新せず私に確認してください」
この指示をすると、例えば資料確認の依頼のメールが届いた後、期日を変更してほしい旨の連絡があった場合にも対応できる。指示を追加したことで、タスクの期限に変更があった場合に通知されるようになった。
使いながら自分に最適な形に調整していく
Gemini Sparkはまだ動作が不安定な部分もあり、1回の指示だけで必ず思い通りに動くとは限らない。実際に動かしながら追加の指示を重ねて調整していくのがよいだろう。
指示したはずの既読メールがチェック対象になっていなければ「既読メールも確認してください」と改めて伝える。同じメールが何度も通知されるなら「一度処理した内容は再通知しない」と念を押すといった具合だ。
また「該当するメールはありません」という報告が毎回届いてうっとうしいと感じる場合は、確認の頻度を下げるなど、前提ルールも必要に応じて変えていくといい。あわせて、設定後は「スケジュール」画面を開き、実行頻度や処理内容が意図した通りになっているかを一度確認しておきたい。
もちろん、AIによるメール内容の判断が必ず正しいとは限らない。返信が必要なメールを見落としたり、逆に不要なメールを対象にしたりする可能性もあるため、重要なメールについては従来通り自分でも確認しておこう。
それでも、既読にした瞬間に忘れがちなメールを定期的に選び出し、期限付きの作業までGoogle ToDoリストに登録してくれる存在は心強い。メール確認の補助役として使えば、うっかり放置を減らせそうだ。



