戦争資料のデジタル保存進む 特攻隊員の日記や訓練写真も
戦争資料のデジタル保存進む 特攻隊員の日記や訓練写真も

戦争を知らない世代に戦争の記憶を継承するため、資料や遺品を保存する活動が各地で進んでいる。茨城県内でも、家庭に眠る戦没者の遺影や日記などをデジタル化する取り組みが行われている。

約5万3000点をデジタル化

7月15日、県遺族連合会(水戸市)の丸山昇一常務理事(85)は、戦没者の顔写真など約5万3000点が入ったダンボール15箱を、戦争資料のデジタル化に取り組む「プロジェクト茨城」(笠間市)に持ち込んだ。

「戦争体験者の高齢化が進み、戦争の記憶を正確に継承することが困難になってきている。デジタル保存してもらえることはありがたい」と丸山さんは話す。

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特攻隊員の日記や訓練写真も

「プロジェクト茨城」は、家庭に眠る戦没者の遺影や日記などを集めて撮影し、名前や年代、大きさなどを記録している。代表の金沢大介さん(55)が「戦争にまつわる資料はどんどん散逸する。戦争の記憶を預かり、継承する団体が必要なのではないか」と感じ、2024年に学芸員ら5人と資料や遺品の整理や記録を始めた。

これまでに集まった資料は、戦闘機のパイロットが残したアルバムや特攻隊員の日記、筑波海軍航空隊の訓練写真など数万点で、現時点で250点を登録した。インターネットで活動を知った人や、金沢さんが管理する記念館を訪れた人らが提供してくれたという。

12月に無償公開へ

現在、デジタル化された資料は有料会員のみが専用サイトで閲覧できるが、より多くの人が閲覧できるよう、12月に無償化する方針だ。金沢さんは「保管や展示だけでなく公開することで、場所を問わず、より多くの人が見られる環境を整えたい」と話す。

50年以上続く収集活動

自衛隊OBらで構成される「茨城郷土部隊史料保存会」(水戸市)も、戦争に関する資料の散逸を防ぐため、独自で収集、保存を50年以上続けている。会は1972年に結成され、県内自治体に住民からの提供を呼びかけてもらうなどして、これまで集まった資料は8000点超。中には水戸二連隊の名簿や陸軍特攻隊員の遺書など貴重な資料も残る。

ひたちなか市の陸上自衛隊勝田駐屯地内で展示しているほか、県庁などで定期的に展示会を開いている。戦没者の遺品を大切に取っておいたが、どうすればよいか分からないとの相談も増えている。

大高哲男会長(84)は「提供された資料は背景まで調べ、できる限り持ち主に伝えている。まずは相談してほしい」と話す。大高さんは「戦争を知る人の高齢化が進む中、戦争に関する資料は貴重な『語り部』だ。これからも戦争の悲惨さや平和の大切さを多くの人に知ってもらいたい」と語る。

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