生成AI時代の電子文書改ざんリスク、企業の51.4%が大量データ処理に課題【ウイングアーク1st調査】
生成AI時代の電子文書改ざんリスク、企業の51.4%が大量データ処理に課題【ウイングアーク1st調査】

ウイングアーク1stは2026年7月23日、売上高100億円以上の企業でタイムスタンプ関連業務を担当する510人を対象に実施した「2026年版 電子文書やデータのセキュリティ調査」の結果を公表した。利用者が抱える課題では「大量データの処理が困難」が51.4%で最も多く、前年比12.1ポイント上昇した。

タイムスタンプの利用状況は「現在利用している(発行時に付与)」が42.5%で最多だったが、前年から2.7ポイント低下。「現在利用している(付与時期は不明)」は15.7%だった。現在利用中と回答した292人に課題を複数回答で尋ねると、「大量データの処理が困難」51.4%、「処理速度が遅い」44.2%、「利用コストが高い」36.6%となった。「大量データ処理の難しさ」は前年比12.1ポイント増で、課題の首位となった。

生成AIによる改ざん懸念が拡大

大量の電子文書を扱う際の実務上の問題では、「システムがフリーズ・エラーになった」30.0%、「処理待ちで残業が発生した」28.6%、「月末・月初の集中処理で遅延が発生した」28.2%に上った。電子文書の増加が業務効率化に寄与する一方、処理基盤の性能不足が作業時間や運用負荷に直結していることが浮き彫りになった。

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生成AI技術の進展に伴う懸念では、「重要書類のAIによる改ざんに気付けない可能性」が30.8%で首位となり、前年比7.2ポイント増。「取引先からの文書の正確性確認が困難になる」は22.2%だった。過去3年間の経験では、「取引先から文書が原本かどうか疑われた」34.9%(前年比2.7ポイント増)、「改ざんが疑われる事案があった」29.4%、「受け取った文書が原本か疑問に思った」25.9%だった。

無防備PDF問題と真贋証明の重要性

電子文書を十分な保護措置なしに扱う「無防備PDF問題」については、「問題だと思う」42.7%、「深刻な問題だと思う」35.7%となり、合わせて78.4%が問題と認識している。

電子文書が原本のまま改ざんされていないことを証明する観点では、「受信時点での証明」32.2%(前年比5.6ポイント増)、「発行時点と受信時点の双方が同程度に大切」29.8%だった。重要な取引文書を受け取った際の確認方法では、「電子的な認証(タイムスタンプなど)で確認」48.2%が首位で、前年比9.4ポイント上昇。「電話やメールで発行元に確認」と「紙の原本を別送してもらう」が各34.5%だった。

電子文書の安全対策については、「安全性は大切だが、コストも考慮したい」42.2%(前年比3.4ポイント増)、「コストより安全性を優先すべき」24.3%という結果になった。

今後3年で7割が電子文書の増加を予想

今後3年間の企業間取引での電子文書利用は、「やや増加する」46.9%、「大きく増加する」23.5%で、計70.4%が増加を見込む。増加を見込む359人に理由を複数回答で聞くと、「業務効率化の必要性が高まる」57.1%(前年比8.1ポイント増)が首位。「人手不足で省力化が必須になる」53.5%、「取引先からの電子化要請が増える」38.7%と続いた。自由回答では、企業の信頼性向上やセキュリティリスク低減、真贋判定に要する時間、AI作成文書における責任の所在などが挙がった。

デジタルトラストサービス導入の契機

デジタルトラストサービスを本格導入する契機としては、「重大なセキュリティインシデントの発生」25.7%、「AIの急速な発展・活用」25.3%だった。取引先から受け取る電子文書について、発行企業・団体を確認できる仕組みが「非常に必要」30.8%、「やや必要」42.5%で、計73.3%が必要性を認めた。

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同社執行役員の村本高広氏は、企業の関心が受領後の改ざん対策中心の段階から、真贋の担保と処理性能を両立する段階へ移ったと説明。発行元で正確性を担保したいという意識が強まる一方、大量の電子文書を迅速に処理する能力も求められているとしている。