米司法省は2026年7月14日、動画共有アプリ「TikTok」のデータプライバシー違反を巡り、中国企業の親会社バイトダンスを提訴したと発表した。同省は、TikTokが未成年者の個人データを適切な同意なしに収集・共有したと主張している。
提訴の背景と具体的な違反内容
訴状によると、TikTokは13歳未満のユーザーから位置情報やデバイス識別子などの個人データを、保護者の同意を得ずに収集。さらに、これらのデータを広告主や第三者企業と共有していたという。米国では児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)により、13歳未満の子どものデータ収集には保護者の同意が必要と定められている。
米司法省の担当者は「TikTokは何百万人もの子どもたちのプライバシーを侵害し、法律を無視してきた」と非難。バイトダンス側は「TikTokはユーザーのプライバシー保護に真剣に取り組んでおり、訴状の内容には根拠がない」と反論している。
罰則と今後の影響
本訴訟では、民事罰として1日あたり約4万ドル(約600万円)の罰金が求められており、違反期間を考慮すると最大で100億ドル(約1兆5000億円)に上る可能性がある。また、TikTokに対し、未成年者のデータ収集を停止するよう差し止め命令も求められている。
専門家は、この訴訟がTikTokの米国事業に深刻な打撃を与える可能性があると指摘。特に、未成年ユーザーの離脱や広告収入の減少が懸念される。一方、バイトダンスは米国市場での事業継続に向けて、データ管理体制の強化を進めるとみられる。
TikTokを巡る規制強化の流れ
米国では近年、中国系アプリに対するセキュリティ懸念から規制が強化されている。2024年にはTikTokの米国事業売却を求める法律が成立したが、バイトダンスは法廷闘争を続けている。今回のデータプライバシー訴訟は、こうした規制の流れにさらに拍車をかけると予想される。
なお、TikTokはこれまでも、2023年に連邦取引委員会(FTC)から同様の違反で約570万ドルの罰金を科されている。しかし、今回の司法省提訴はより大規模なものとなっており、今後の裁判の行方が注目される。



