NHKと日本IBMの紛争、失敗は既定路線だった?メインフレーム移行のリスクと教訓
NHKと日本IBMの紛争、失敗は既定路線だった?

NHKと日本IBMの間で起きた約54億円の返還請求を巡る紛争は、メインフレームからクラウドへの移行プロジェクトが失敗した事例として、IT部門に重要な教訓を残しています。1030万ステップの資産を移行するこのプロジェクトは、基本設計を終えながら詳細設計に進めず、契約解除に至りました。

移行先クラウドの選定が難易度を左右

移行先クラウドの選定は、移行プロジェクトの難易度を大きく左右します。現行機能の「リライト」が行き詰まる構造があり、大規模プロジェクトにおける「責任の境界」はどこにあるべきかが問われています。

問題があるのはNHKや日本IBMだけではありません。SIerのプロジェクトマネージャーとして大規模開発を長年率いた筆者は、メインフレーム移行プロジェクトが抱えるリスクを明らかにしつつ、同事案の失敗が不可避だった理由を考察しています。

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基本設計から詳細設計への移行が失敗の分岐点

本プロジェクトは、基本設計を終えながら詳細設計に進めず、契約解除に至りました。多大なコストと期間をかけたにもかかわらず、NHKが早々に継続に見切りを付けたのはなぜか。その背景には、移行先クラウドの選定や、現行機能のリライトが行き詰まる構造があったとされています。

本ブックレット(全15ページ)は、ITmedia エンタープライズで掲載した解説記事を基に再構成しています。筆者の見解は、当時の報道内容と、当時公開された裁判記録の一部に基づいています。

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