セブン-イレブン・ジャパンは2025年秋をめどに、店舗での決済サービスを大幅に見直す方針を固めた。同社が展開する電子マネー「nanaco」を中核に据え、現在導入している複数のQRコード決済のうち、一部を除外する可能性が高い。とりわけ、利用者数が国内最大級の「PayPay」が対象外となる見通しで、コンビニ業界に大きな波紋を広げている。
セブン-イレブン、nanaco重視へ
セブン-イレブンは現在、nanacoのほか、PayPay、楽天ペイ、d払い、LINE Pay、メルペイなど、主要なQRコード決済をほぼ全て導入している。しかし、決済手数料やシステム維持費の負担が増大していることから、収益性の高いnanacoへの誘導を強化する戦略に転換する。同社関係者は「nanacoはセブン-イレブンの独自通貨であり、ポイント還元やマーケティングデータの活用において優位性がある」と説明する。
PayPay排除の背景
PayPayは2018年のサービス開始以来、急速に普及し、現在の登録ユーザー数は6600万人を超える。セブン-イレブンでの決済シェアも高く、排除による顧客離れが懸念される。しかし、セブン-イレブン側は「PayPayの決済手数料は他社と比較しても高く、nanacoへの切り替えで年間数十億円のコスト削減が見込める」と試算する。また、PayPayはソフトバンクグループ系であり、セブン-イレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングスとは資本関係がないことも、判断を後押ししたとみられる。
利用者への影響と今後の行方
PayPayユーザーにとっては、セブン-イレブンでの決済手段が限られることになる。一方で、セブン-イレブンはnanacoのチャージ方法を拡充し、クレジットカードや銀行口座からのチャージを可能にするなど、利便性向上を図る方針だ。業界関係者は「他のコンビニチェーンも同様の動きを見せる可能性がある。QRコード決済の乱立が収束し、業界再編が進むかもしれない」と指摘する。セブン-イレブンは2025年秋までに具体的なスキームを発表する予定で、今後の動向が注目される。



