Windows Centralは8月25日(米国時間)、OpenAIのサム・アルトマン氏がマーケティング戦略の失敗を認め、業界がAI技術を「怖い」ものとして伝えてきた点を問題視したと報じた。
AI普及の遅れは「恐れ」が原因? 記者は真っ向から反論
アルトマン氏はChatGPT-4が登場した2023年の段階で、ソフトウェア業界で変革が起き、あらゆる企業が参入すると見込んでいたという。しかし実際には望んだ変革は起きなかった。その理由として、経済には強い「慣性」があり、人々は従来と同じ製品を買い、同じツールを同じ手順で使い続けたいのだと説明した。
続けてもう1つの要因にも触れた。AI業界の説明不足だ。AI開発者が「世界を滅ぼす確率」を語ったり、短期間で大量の雇用が失われたりする可能性を強調した結果、技術を恐ろしく見せたと批判した。
しかしWindows Centralの記者は「まったくわかっていない」と述べ、アルトマン氏の主張を否定した。普及が進まない原因は役に立たないと感じているからであり、恐れているわけではないとした。
OpenAIの巨額投資、収益化も課題に
記者はAIの巨額支出にも焦点を当てた。OpenAIでは2030年までの支出契約が約1兆ドルに近づいているとされ、SoftBank、NVIDIA、Oracle、Microsoftなどの支援を前提に事業が進んでいる。2026年は計算リソースだけで500億ドルを投じる計画だが、年間売り上げ高は約250億ドルの見通しが立てられ、さらにこの収益の一部には借入も含まれるという。
OpenAIは収益を改善するために、顧客増または価格の見直しが必要な情勢だ。価格については競合他社よりも高くすることは難しく、顧客の増加または顧客単価の増加に期待するほかにない。しかし記者が指摘するように状況認識を誤っているのであれば、改善の見込みは薄い。
AI普及のカギはハルシネーションの解消か
記者はAIの用途を否定しているわけではない。ハルシネーションの課題さえ解決できれば、法執行機関や医療分野などの大規模かつ複雑なデータ解析では有益だと説明する。これら高リスク分野で普及すれば経済性の問題は解決し、現状の低リスク分野の利用にとどまれば、利益率の改善は見込めないとの考えも示した。
AIが言葉を正しく理解し、正確に回答できれば、利用シーンは大幅に広がる。さらにコスト面の課題も解決できれば急激な普及につながると予想される。問題の本質は、AIが言葉を理解していないことに尽きる。汎用人工知能(AGI)がその答えになると目されているが、実現のめどは立っていない。



