文部科学省は来年度、レアアース(希土類)や石油製品のナフサなど、中国をはじめとする特定国の輸入に依存する資源の代替材料開発を目指す国家プロジェクトを始める。新技術開発に取り組む大学や研究機関に補助金を交付する新事業を進め、重要資源の確保に向けた基礎研究力を強化する。来年度予算の概算要求に関連費104億円を計上し、産業に必須な資源の供給リスク克服につなげる。
新事業の概要と支援対象
新事業は各省庁の要求に上限を設けない特別枠「『強く豊かな日本』投資枠」を活用し、2033年度までの最大7年間実施する。
主な支援対象はレアアースや銅、ナフサなど海外依存度の高い資源を手に入りやすい原料で代替する技術のほか、使用量を減らしたり、リサイクルしたりする技術の開発だ。
レアアースの供給リスクと環境対策
特にレアアースは中国の国別シェア(占有率)が高く、採掘量は約70%、製錬量は約90%を握る。そこで文科省は、レアアースなど重要鉱物の製錬・精製といった工程を国内産業化するため、有害な廃棄物が流出しない環境負荷の少ない新手法の開発支援も進める。
具体的には、産学の研究者が分野横断的に研究に取り組む拠点を大学や国立研究開発法人などから5か所ほど選び、年約10億円を支援する。また、資源リスク克服に向けた重要技術を育成する研究チームに年約2億円、その前段階の基礎研究に取り組むチームに年約2000万円を支援する。
背景と今後の展開
レアアースは中国の輸出管理で常に供給リスクにさらされているほか、ナフサもイラン情勢の影響で一時不足感が強まった。
銅などのありふれた鉱物資源であっても、AI(人工知能)向けデータセンターの急増に伴う配線材料の需要増に追いつかない事態が顕在化している。
文科省はこうした課題を解消するため、経済産業省や環境省とも連携し、産業界のニーズや必要なリサイクル技術を把握した上で支援対象を公募する。



