月100万トークン使うビズリーチCTOとOpenAI Japanが語るAI費用対効果「まずはアウトプットから」
ビズリーチCTOとOpenAI Japanが語るAI費用対効果「まずはアウトプットから」

生成AIの導入や定着が進む一方、企業の間で「AI費用対効果」の評価が新たな課題となっている。AIエージェントなど高度な利用が広がると、処理量を示す「トークン」の消費は増え、利用料もかさむ。そうした悩みに、ビズリーチの外山祐介氏(執行役員CTO/DX本部本部長)とOpenAI Japanの硲将平氏が、7月1〜2日に開催された「BizReach Conference」の講演で向き合った。

全社員にGemini配布、利用率95%超え

外山氏は、AI活用は3つの段階があると話す。最初は「個人活用」だ。約1年半前から全社員が「Gemini」を利用できる環境を整え、「まずは使ってください」と利用率向上に注力。その結果、週3回以上利用する社員は95%を超えた。ただ、次に「量は増えたが質はどうなのか」という問題が浮上。AIチャンピオンを設置し、コンテストやコミュニティー内での事例共有を進め、1年かけて「良い使い方を組織全体へ広げる全社展開」に取り組んだ。

「改善」ではなく「革新」へ

今の課題は「組織成果」だと外山氏は言う。AI前提で組織を再設計し、成果を出すフェーズだ。実際、一部の業務では「工数80%削減」「生産性200%向上」といった成果も出ている。だが、会社全体では10〜20%程度の改善にとどまるケースが多い。「これでは革新というより改善」と外山氏は指摘する。AIへの投資を考えれば、組織全体がパラダイムシフトしたと言えるレベルまで変える必要があるという。

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月100万トークン、AI Product Studioの取り組み

外山氏は、OpenAIのAIコーディングツール「Codex」を活用し、自身も1カ月に100万トークンほど使う。所長を務める「AI Product Studio所」では、AI利用量とプロダクト開発の生産性を継続的にチェックしている。「AIの使用量が増えるほど、生産性も伸びる傾向がある」と外山氏。この取り組みを所内だけに留めることなく、会社全体に展開したい考えだ。

硲氏は、Codexはソフトウェア開発のエンジニア向けにリリースされたプロダクトと説明。メールの自動返信やデータ分析、商談システムの更新など、さまざまなエージェントが24時間動き、自分と同期せずに働く。エージェントをどれだけ多く動かせるかが、生産性向上の鍵の一つになるという。

評価の指標はトークン数ではなく事業KPI

「トークン数は、AIに入力したテキスト量や出力データ量を示す一つの指標にすぎない」と硲氏は話す。見るべきは「売り上げが伸びたか」「採用人数が増えたか」といったビジネスのKPIだ。OpenAI Japan自身も、会社は小さいながらも「売り上げを伸ばせているか」という事業成果でAI利用の効果を見ている。

一方、外山氏は「AI投資の評価は難しいテーマ」としつつ、「まずはアウトプットで測ればよい」と述べる。例えばプロダクト開発なら、ソースコードの変更点を通知する「プルリクエスト」の数が分かりやすい。チーム全体でアウトプットが増えているかを確認し、AIによって開発サイクルが短くなれば、前週にリリースした機能を翌週に検証し、改善につなぐループを回しやすくなる。

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