株式市場の最前線を長年注視してきたアナリストの有沢正一氏(岩井コスモ証券)が、注目の経済テーマを読み解く。AI(人工知能)・半導体ブームは「期待先行」との見方がある一方、全国で工場新設などの投資が活発化しており、停滞感のあった地方経済を活性化させる期待が高い。AI・半導体は裾野が広い産業だけに、株式投資の側面からは有望な銘柄を見極める目利きが試されそうだ。
株高の期待は変わらず、関連銘柄の人気根強い
「AIが世界を変える」との期待が大きく膨らみ、株式市場では半導体などの関連株が人気を集め、日経平均株価を7万円台に導いた。AIの普及は、インターネット以来の産業革命になるともいわれている。
期待が膨らみ過ぎた反動で関連企業の株価はいったん調整したが、まだまだ人気は根強いようだ。AI関連市場の拡大について「期待が大きすぎる」「まだ早い」といった懸念の声もあるが、すでに本格化している半導体やデータセンターに対する設備投資を見るだけでも、市場のスケールの大きさがうかがえる。
全国で相次ぐ工場新設、地方経済の起爆剤に
国内に限っても、半導体工場は、ラピダスの北海道千歳市の工場のほか、台湾積体電路製造(TSMC)熊本第2工場(熊本県菊陽町)、京セラの長崎県諫早市の工場など建設予定がめじろ押しだ。秋田市では、完成すれば国内最大規模となるAI向けデータセンターの建設計画が進んでいて、アラブ首長国連邦(UAE)などが投資し、整備費用は2兆円規模になる見込みだ。
地方創生や地方経済の活性化は、長い間日本の課題であり、これまでも多くの対策が施されてきたが、ここまで大規模な工場が各地で相次いで建設されるのは、これまでの政府の経済対策でも見ることができなかったと有沢氏は指摘する。
民間主導の投資が地方を活気付ける
政府や自治体による補助金などが民間の投資を促したという側面はあるだろうが、本格的なAI社会の到来を見据えた民間主導の投資が、日本の地方経済を活気付けてくれることになりそうだ。



