トヨタとNTT、自動運転向け次世代通信規格「IOWN」で協業へ
トヨタとNTT、自動運転向け次世代通信規格「IOWN」で協業

トヨタ自動車とNTTは、自動運転技術の高度化に向けて、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を活用した協業を発表した。両社は、IOWNの持つ超低遅延・大容量通信の特性を生かし、車両制御や高精度地図のリアルタイム更新など、自動運転に必要なデータ処理を飛躍的に向上させる方針だ。

協業の背景と目的

自動運転の実用化には、車両が周囲の状況を瞬時に把握し、判断を下すための高度な通信技術が不可欠とされている。現在の4Gや5Gでは遅延や帯域幅の制約があり、特に高速走行時や複雑な交通環境での信頼性確保が課題となっていた。IOWNは、光電融合技術を基盤に、従来のネットワークと比較して遅延を100分の1以下に抑え、消費電力を大幅に削減できる次世代通信規格だ。

トヨタの自動運転開発責任者は、「IOWNの低遅延性は、自動運転の安全性を根本から変える可能性がある。特に緊急時の遠隔制御や、車車間通信による協調制御において、これまでにない精度と信頼性を実現できる」と述べている。

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具体的な協業内容

両社は、まず自動運転車両の制御システムとIOWNの統合を進める。具体的には、車両が収集したセンサーデータをIOWN網経由でクラウドに送信し、高精度な3次元地図をリアルタイムで生成・更新する仕組みを開発する。また、緊急時には遠隔操作による介入を可能とする「テレオペレーション」システムの構築も視野に入れている。

さらに、NTTはIOWNのネットワークインフラをトヨタのテストコースや実証実験エリアに整備し、2025年までに実際の走行環境での実証実験を開始する計画だ。実証では、複数の自動運転車両がIOWNを介して協調走行し、信号機のない交差点でのすれ違いや合流などを想定したシナリオが検討されている。

業界への影響と今後の展望

今回の協業は、自動運転分野における通信インフラの重要性を改めて示すものとなった。トヨタはこれまで、独自の自動運転システム「Guardian」や「Chauffeur」を開発してきたが、IOWNとの組み合わせにより、より高度なレベル4以上の自動運転の実現を加速させる狙いだ。

NTTにとっても、IOWNの商用化に向けた重要なユースケースとなる。NTTの技術戦略担当役員は「自動運転はIOWNの性能を最大限に引き出すアプリケーションの一つだ。トヨタとの協業を通じて、IOWNの技術的優位性を実証し、他の産業への展開も加速したい」とコメントしている。

自動運転業界では、米国のWaymoや中国の百度などが先行する中、日本勢が通信技術で差別化を図る動きが活発化している。トヨタとNTTの協業は、日本の自動運転技術の国際競争力向上に寄与する可能性がある。また、IOWNの低消費電力特性は、自動運転車両のバッテリー消費抑制にも貢献すると期待されている。

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