5G基地局整備の遅れで日本企業の競争力低下が懸念
5G基地局整備の遅れで日本企業の競争力低下懸念

日本における5G基地局の整備が国際的に遅れている。総務省のデータによると、2023年度末の人口カバー率は約60%で、韓国や米国の90%超に及ばない。この遅れが日本企業のデジタル競争力に悪影響を与える可能性がある。

5G基地局整備の現状

総務省が発表した2023年度末の5G基地局整備状況によると、日本の人口カバー率は約60%にとどまっている。一方、韓国は95%以上、米国は90%超を達成しており、日本は大きく水をあけられている。通信大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)は計画的に基地局を設置しているが、地方部での整備が遅れている。特に農村部や山間部では、カバー率が30%未満の地域もあり、デジタルデバイドの拡大が懸念される。

競争力への影響

5Gの整備遅れは、製造業や物流、医療など幅広い産業のデジタル変革(DX)を阻害する。例えば、自動運転や遠隔医療、スマートファクトリーなどの高度なアプリケーションは、高速・大容量・低遅延の5G通信が不可欠だ。東京大学の研究によると、5Gの本格普及が1年遅れるごとに、日本のGDP成長率が0.2ポイント低下する可能性がある。また、国際競争力の指標であるIMDデジタル競争力ランキングでは、日本は2023年に28位と過去最低を記録し、5Gの遅れが一因とされる。

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政府の対策と課題

政府は2024年度から、地方の5G基地局整備に対する補助金を拡充する方針だ。しかし、専門家からは「補助金だけでは不十分で、規制緩和や周波数割り当ての柔軟化が必要」との指摘がある。また、通信各社は基地局建設コストの高さや、5Gの収益化の難しさを課題に挙げる。総務省の有識者会議では、2025年度までに人口カバー率を90%に引き上げる目標を掲げているが、達成は容易ではない。

今後の展望

5Gの遅れを取り戻すためには、官民一体となった取り組みが不可欠だ。通信各社は、既存の4G基地局を活用した5G展開や、オープンRAN(無線アクセスネットワーク)の導入によるコスト削減を模索している。また、2030年以降の6Gを見据え、産学連携で基盤技術の開発を加速する動きもある。日本がデジタル競争力を回復できるかは、今後の投資と政策の実行力にかかっている。

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