漫画原作者の武論尊さんが、中央競馬の馬主として「ロバ」と称される自分の馬で「4億円の馬」に先着するという屈折した夢を語った。オフィスには優勝馬のゼッケンが飾られている。
詐欺で400万円を失いながらも馬主に
中央競馬の馬主になって最初に競り落とした金は、詐欺師に持ち逃げされたという。400万円をだまされて持ち逃げされ、持ちたいと思った馬も持てなくなった。そのときに「お前、もうやめろ」と言われ、やめようかなとも思ったが、「やっぱり1回だけやってみたかった」と振り返る。
その後、いろいろと競りへ行ったり、頼んで買ってもらったりして、最初は年に1頭ぐらいずつ持つ感じで始めた。資力の関係で年間1頭ぐらいしか持てず、育成などにお金がかかるという。
「ロバ」と呼ばれる安い馬で挑む
武論尊さんが買う馬は400万円とか500万円。一方で、高い競りでは3億円、4億円、最低でも4千万円ぐらいになる。「その人たちから見れば、私の買った馬なんかロバなんですよ。それが一緒に走るんですけど。勝てるわけないじゃないですか」と語る。
今までで一番高かった馬でも1500万円ぐらいで、安いのは150万円だった。「さすがに走らなかったね、その馬は」と明かす。
夢は400万円の馬で4億円の馬に勝つこと
「夢は、うちの400万円の馬で4億円の馬に勝つことです。同じレースに出ますから。そこでそいつに先着だけしろ、と思ってますよ」と話す。レースで1着、2着でなく、ゴールで先着したらそれだけで万歳しており、「8着、9着でも。『ざまあみろ』。その日の酒はもう、めっちゃうまい、おいしいですよ」と喜びを表現する。
これまでに11勝を挙げた。賞金は平均1千万円として1億円くらいだが、「そんなの焼け石に水です。大赤字ですよ」と語る。1頭を1か月調教師に預けるのに70万円かかり、年間600万から700万円になるという。
底辺馬主の楽しみ方
馬のことを考えるのはほとんど土日だけで、北海道の育成場には年に2回ぐらい行っている。「ロバのまま終わるのか、ロバが馬に化けるのか」と見るだけで楽しいと話す。
馬は青田買いで、ダービー馬の子供など血統のいいのは桁が違って4億円とかする。自分の買う400万円のはダービー馬の弟の子供だという。高い馬は種付けだけで2千万円するが、自分が買うようなのは30万円とか40万円の種付け料の馬だと説明する。
セレブの馬主たちは大きいところを買って種馬にする「競馬ビジネス」が夢で、完全な財テクと考えている。一方で「私たち底辺は『高い馬に勝て』っていう変な楽しみ方でしかいけないんですよ。もう屈折してるんですよ、末端は」と語る。
「自分は馬主の中で一番貧乏だと思っているので、納得しています」とし、芸能人の人たちが売れるとすぐ馬を持つが、大体1、2年でやめていくとも話した。



