日本時間6月21日13時キックオフのFIFAワールドカップ2026「日本対チュニジア戦」を前に、チュニジア代表の真の強さと日本に求められる戦略を、スポーツライター・小宮良之氏の新著『最高の景色 森保ジャパン集大成の挑戦』より一部抜粋・編集してお届けする。本稿は3月時点の情報に基づく。
チュニジア代表は「強い」のか?
チュニジアは「アフリカの雄」と言える。3大会連続7度目のW杯出場は伊達ではない。歴史的にグループステージを勝ち上がったことはないが、堅実な戦いをセールスポイントにしている。指揮官サミー・トラベルシは1998年W杯にチュニジア代表選手として出場した経験を持ち、指導者としてもそのカラーを引き継いでいる。集団戦術が定着しにくいアフリカにあって、守備を固められる点は強さの源だ。今回のW杯アフリカ予選では10試合無失点を記録した。
戦力は日本よりも下?
しかし、戦力的には日本が上回ると見られる。チュニジアの選手は欧州主要リーグでプレーする者が限られ、個の能力では日本に劣る。だが、組織的な守備とカウンターの精度は侮れない。ブラジルとの親善試合で引き分けた実績もあり、油断は禁物だ。
チュニジア戦のキーマン
チュニジアの攻撃の軸は、FWのワフビ・ハズリ(モンペリエ)とMFのナイム・スリティ(アル・イテハド)だ。ハズリはスピードと決定力を兼ね備え、スリティは創造性豊かなパスでチャンスを作る。守備面では、CBのヤシン・メリア(エスペランス)が最終ラインを統率する。日本は彼らの封じ込みが鍵となる。
森保ジャパンはW杯で優勝できるのか?
森保ジャパンは着実に成長を遂げてきたが、W杯優勝にはさらなる飛躍が必要だ。グループリーグ突破は最低条件であり、その方法にもこだわるべきだ。
「3位通過」ではダメな理由
グループリーグを3位で通過すると、決勝トーナメントで強豪と早期に対戦する可能性が高まる。過去のW杯でも、3位通過チームがベスト8以上に進出した例は少ない。日本が真に世界と戦うには、グループ2位以上、できれば1位突破が不可欠だ。そのためにはチュニジア戦は絶対に勝たなければならない。引き分けや敗戦は、後の試合に大きなプレッシャーを与える。
チュニジア戦は、日本がグループ突破の主導権を握るための重要な一戦だ。堅守を崩すための工夫と、集中力を切らさない90分間が求められる。



