愛知・名古屋アジア大会の体操女子個人総合で、杉原愛子(27)が金メダルを獲得した。日本選手の同種目優勝は初めてとなる。
全種目で安定した演技
杉原は先にすべての演技を終え、追いかける中国選手の得点を待つ間も笑顔を見せた。「やるべきことはやった」という表情だった。
苦手としていた最初の段違い平行棒を大きなミスなく13点台で終え、流れをつかんだ。続く平均台も落ちるのをこらえ、着地もきれいに決めて14点台をマークした。
得意種目でトップの得点
三つ目のゆかは、昨年10月の世界選手権種目別で優勝した種目。全体トップの13・700点をたたき出した。得意の跳馬も14点台に乗せ、追随を許さなかった。
女子個人総合はこれまで中国の独壇場だった。日本選手のアジア大会優勝は初めてのことだ。
異例のキャリアを歩む27歳
11年前のNHK杯で頂点に立った時は15歳。2016年リオデジャネイロ、21年東京と五輪に連続出場すると、22年6月から約1年間、競技から離れた。大学で指導現場に立ち、審判資格も取った。基礎を見直す大切な期間になったという。
異例の足取りといっていい。その姿は、10代で多くの選手がピークを迎える体操の価値観を問い直しているように見える。
体操の醍醐味はまだ誰もやっていない新しい技の習得だ。杉原は「人がやっていないことを一番にすることが好き」と語っている。27歳は技ではなく、その生き様で初めての道を歩んでいる。
「いろんな思いのある金メダルの重みです」。目を潤ませながら、19日に迎えたばかりの誕生日に自ら花を添えた。



