三菱自動車のデリカD:5が、デビューから19年を迎えてもなお好調な販売を続けている。現行の5代目は2007年の登場以来、フルモデルチェンジを噂されながらも、今年1月にはさらなるマイナーチェンジを実施。フロントグリルの刷新や安全装備の充実など、時代に合わせた改良を重ねている。
独自路線でシェアを伸ばすデリカD:5
ミニバン市場ではアルファードが人気を集める中、デリカD:5は本格的なオフロード走行に対応できる異色の存在として独自の地位を築いている。三菱自動車の中でも、軽のデリカミニに続く2番目の人気車種となっている。
19年のビッグマイナーチェンジで初採用された「ダイナミックシールド」と呼ばれるフロントグリルが、D:5の代名詞だ。居住性の向上と悪路走破性をコンセプトにラインアップを刷新し、パワートレーンはディーゼルエンジンに一本化、グレードも3種類に絞り込んだ。その効果は大きく、2020年以降は販売台数が増加を続け、2024年度は2万1799台、2025年度は2万6379台と過去最高を更新している。
最新技術と質感の向上
今回のマイナーチェンジでは、最新の四輪制御技術「S―AWC」を搭載。フロントグリルやホイールアーチもブラッシュアップし、メーターパネルを液晶化、インテリアには高級感のある素材を採用した。価格は最上級グレードのPで約28万円のアップとなるが、それでも500万円を切るため、ライバルと比べてお得感は高い。
ボディーサイズは全長4800ミリ、全幅1815ミリと扱いやすい。シートは長時間でも疲れにくく、インテリアの質感も高い。直線を基調とした高級感あふれるダッシュボードを備え、最新のクルマと比べると物理スイッチが多いものの、操作性に優れ扱いやすい。
本格4WDの走破性を実感
ボディー形状に本格的な4WDを搭載したのも人気の一因だ。4輪のトルク配分やブレーキを電子制御する「S―AWC」は、どんな悪路にも対応できる。オフロードに強いミニバンを探すなら、D:5一択という状況だ。
大人数でのアウトドアやキャンプ、レジャーを楽しみたいユーザーにとって、8人乗りの設定はうれしいところ。荷物も十分に積めるので、泊まりがけでも大丈夫だ。前後にホイールアーチモールが追加され、ワイルドな見た目になった。
実際に河川敷の未舗装路を走ってみると、車高の高いミニバンとは思えない安定感が実感できた。こぶしより大きな石がゴロゴロする河原でも不安を感じない。19年にわたり熟成を続ける5代目は、本格的な4WDと個性あふれるデザインで三菱にしかない魅力に満ちている。
ドアハンドルなど時代を感じるパーツもあるが、インテリアも上質な仕上がりでコストパフォーマンスは高い。ライバルとは一線を画して独自路線を歩むデリカD:5、今後も人気は続きそうだ。
デリカD:5 P 主要諸元
- 定員:8人
- 全長:4800ミリ
- 全幅:1815ミリ
- 全高:1875ミリ
- 車両重量:1990キロ
- エンジン:2267cc直列4気筒ディーゼル
- 最高出力:145馬力
- 駆動方式:四輪駆動
- ミッション:8速AT
- 燃費(WLTCモード):12.9キロ
- 車両本体価格:494万4500円(税込み)



