教員の相互不干渉が招くリスク…同志社国際高校の辺野古事故から考える学校風土の問題点
教員相互不干渉のリスク…同志社国際高校の辺野古事故から考える

文部科学省は2026年6月、京都府にある同志社国際高等学校の教育内容について、教育基本法に違反するとして是正を指導した。問題となったのは、沖縄県名護市辺野古への米軍基地移設工事に関連する研修旅行の内容と安全管理の不備である。文科省と京都府の合同調査により、学校側が当日の波浪注意報を確認していなかったことや、悪天候時の代案を事前に決めていなかったことなど、複数の安全面での欠陥が明らかになった。

安全管理の重大な欠陥

調査によると、学校は旅行会社による下見の対象外だったプログラムについて、自ら事前の下見を実施せず、現地での事故対応や救護・通報に必要な施設・設備の調査・確認も行っていなかった。さらに、参加生徒へのライフジャケット着用方法の事前指導も行われていなかった。これらの事実は、文科省と京都府が合同で公表した資料に詳述されている。

2023年から実施されていたボート乗船プログラムでは、安全管理面で以下の問題が確認された。事前の下見や引率教員の同行がなく、通常の船着き場ではなく護岸から乗船していた。事後の生徒の感想には、警備中の船から注意を受けたり、恐怖を感じたりした者がいた。教育活動面では、抗議船として日常的に使われる船への乗船や、開会礼拝で牧師が辺野古移設工事反対の抗議活動を説明したことなどが問題視された。

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教員間の相互不干渉が蔓延

調査では、2015年から2018年の研修旅行のしおりに座り込みを依頼する文書が掲載されていたことも判明。しかし、これらの事項について校長や管理職、教職員の間で疑問が呈されたり議論されたりしたことは一度もなかった。文科省の資料は、同校では教職員が就職から退職まで同じ学校で勤務することが一般的であり、それが教員間のなれ合いや相互不干渉の風土を生んでいたと指摘する。

教育ジャーナリストの妹尾昌俊氏は「ここが引っかかる」と述べ、前例踏襲が続き、校長の責任で止めることがなかった点を問題視する。私立学校では公立校と異なり人事異動がほとんどないケースが珍しくなく、同様の問題が潜在する可能性がある。

神戸市「激辛カレー事件」の例

相互不干渉の職場風土は、過去にも深刻な事例を生んでいる。神戸市では、教員間で互いに干渉しない風土が蔓延し、激辛カレーを食べさせる不適切な指導が長年放置された事件があった。この事件では、問題を指摘する教員がおらず、結果として児童の安全が脅かされた。同志社国際高校のケースも、同様の構造的問題が背景にあると見られる。

学校風土の改革が急務

文科省の是正指導は、単に同志社国際高校の問題にとどまらず、日本の私立学校全体のガバナンスに警鐘を鳴らすものだ。教員間の健全な批判や議論を促進する仕組みづくりが求められる。具体的には、外部評価の導入や人事異動の活性化、教職員会議での建設的な意見交換を促すリーダーシップの育成などが課題となる。

妹尾氏は「学校では異論が出にくい風土がある。今回の事件を教訓に、安全管理や教育内容のチェック機能を強化すべきだ」と指摘する。文科省も、是正指導にとどまらず、全国の私立学校に対する監視体制の強化を検討する必要がある。

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