教員の相互不干渉が生む学校風土の問題点 同志社国際高校・辺野古事故から考える
教員の相互不干渉が生む学校風土の問題点 同志社国際高校辺野古事故から考える

文部科学省は同志社国際高校の教育内容が教育基本法に違反するとして是正を指導した。同校に限らず、修学旅行のプログラム詳細について職員会議などで活発に議論する学校は私立・公立問わずごく少数だと、教育現場に詳しい専門家は指摘する。

個人商店の集まりと化す学校組織

学校組織は「個人商店の集まりのようなもの」と比喩されることが多い。個々の教員や学級の自律性が高い反面、全体としてのチームワークが弱いという構造的な特徴がある。さらに、生徒の自主性を重んじる伝統がある場合、担当外の教員が口を挟まないのが「普通」と見なされる風土が形成されやすい。

神戸市の事案に関する報告書では、「教師文化や教員気質の一つとして、現実や人の欲求よりも理想を重視する傾向がある」と指摘されている。今回の辺野古事故(沖縄・名護市辺野古の米軍基地建設に伴う抗議活動現場で、修学旅行中の生徒が軽傷を負った事故)を例にとると、教員集団が「沖縄の基地問題を探究する教育活動」の意義を強調するあまり、安全上のリスクや教育上のバランスを軽視した可能性がある。

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理想優先がリスク軽視を招く

高校生が主体的に調べ、現地の声を聴く活動は教育的価値が高いと評価される一方、教員間でリスクについての議論が不十分だった場合、事故につながる。この背景には「対立を恐れる組織」の風土がある。教育現場では、意見の対立を避け、相互に干渉しない文化が蔓延しているという。

教育ジャーナリストの妹尾昌俊氏(一般社団法人ライフ&ワーク代表理事、OCC教育テック大学院大学教授)は、「学校では『同調圧力』や『相互不干渉』が強く働く。特に私立校では伝統や校風が優先され、批判的な意見が出にくい」と分析する。実際、文科省の指導後も同校は「教育内容に問題はない」との姿勢を崩していない。

対立から学ぶ組織への転換が必要

専門家は、学校が「対立を恐れる組織」から「対立から学ぶ組織」へ変わる必要があると訴える。具体的には、教員間で意見を交わす場を定例化し、リスク評価を共有する仕組みが求められる。また、修学旅行の計画段階で、教育的意義と安全面の両面から多様な視点を組み込むことが重要だ。

今回の事故は、学校風土の問題を浮き彫りにした。教員が互いに干渉せず、理想を優先する文化が続けば、同様の事態は繰り返される可能性がある。教育現場は、自己点検と改革を迫られている。

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