文部科学省の2024年度「社会教育調査」によると、地方自治体などが設ける図書館は全国に3400館あり、蔵書数は約4億5782万冊と、この20年で増え続けている。都道府県別に人口1人あたりの蔵書数をみると、福井が8.4冊で最多。鳥取が7.6冊、滋賀が7.3冊と続いた。全国では図書館がひとつもない市区町村が2割超あるが、上位3県ではすべての市町村に図書館がある。
貸出数で滋賀が最多、都市部は下位に
最も少なかったのは神奈川で1.8冊。トップの福井の5分の1ほどだった。京都が2.7冊、福岡が2.9冊と、人口の多い都市部の府県が下位に並んだが、東京は平均並みだった。神奈川県の担当者は「自治体から『本が足りない』という声は出ておらず、問題とは認識していない」と話す。
一方、人口1人あたりの貸出数で最も多かったのは滋賀で7.3冊。次いで東京と高知が6.9冊。最も少ないのは青森と秋田の2.7冊で、滋賀との差は3倍近くあった。滋賀は以前、図書館数や蔵書数が全国でも下位だったが、1980年から司書を増やし、県内の公立図書館から求めがあれば県立図書館が本を買ったり、どの図書館にあるかを紹介したりする取り組みを始めた。2010年代には「図書館先進県」と呼ばれるようになった。
レファレンス最多は高知、鳥取は3指標で上位
図書館には、利用者の相談に応じて調べものをしたり資料を探したりする「レファレンス」サービスもある。利用件数を人口100人あたりでみると、高知が15件で最多。山梨が13件、新潟、大阪、鳥取が12件と続いた。鳥取は蔵書数で2位、貸出数でも5位と、三つの指標すべてで上位に入った。
鳥取県智頭町の「ちえの森ちづ図書館」は「地域の人が集える居場所」をテーマに建てられた。図書館は「本を貸す」だけでなく、地域の課題解決に役立つ「役に立つ図書館」を目指す動きが広がっている。識者は「図書館の役割を戦略的に再編成していくのはいい」と評価する一方、日本の図書館は「黴臭くて真面目すぎる」と若い世代に敬遠されがちだと指摘する。



