38歳で東京大学に合格したさんきゅう倉田さん(本名・倉田剛)。横浜育ちで、学生時代の成績はオールBだったという彼が、なぜ東大を目指し、合格を勝ち取ったのか。その背景には、芸人としての活動で得た気づきと、自己証明への強い執念があった。
公務員から芸人へ、そして東大受験へ
東京国税局に就職した倉田さんは、内部事務や中小法人の税務調査などを担当。「面白かった」と振り返る一方で、「もっと面白い仕事は何かなと考えた時、芸人という仕事に行きついた」という。公務員を2年1カ月で退職し、NSC東京校に入って芸人の道を歩み始めた。
芸人として活動する中で、倉田さんは人生で一度も経験したことのない大学受験、特に東京大学への挑戦を強く思い始める。2020年、ついに東大受験を決断した。
「学歴のある人たちと自分の賢さは変わらない」
東大受験を決めた理由について、倉田さんは「20個くらいある」と笑いながら、「学歴がある人たちと自分の賢さはそんなに変わらないのではないかと思ったから」と語る。
「芸人になってから、同じ芸人や企業の人、社長など様々な人と会うようになりました。その人たちとコミュニケーションをとっていると、どれくらい賢いかが会話の中でわかります。東大卒や早慶卒の人も多かったのですが、学歴のある人たちと自分の賢さってそんなに変わらないんじゃないかなと思い始めたんです。自分は受験したことがないけど、もし自分が受験勉強をしたら結果を出せるかもしれないと考えました」
内部進学と推薦で大学まで出た自分が、正面から受験勉強に向き合ったらどこまでいけるか――純粋な好奇心と自己証明の欲求が、倉田さんを東大という高い目標へと向かわせた。
1日10時間の勉強を3年間継続
倉田さんは友人の紹介で、2020年2月から東大専門塾「敬天塾」の授業に4月から参加。経済の勉強をしたいという思いから文科2類を志望した。週3回ほどの授業と宿題をこなしながら、それ以外の時間は自宅で教科書や東大の過去問と向き合う日々が始まった。
「自宅で1日10時間勉強する日もありました」と倉田さん。浪人生活は3年間に及んだが、その間も勉強時間を確保し続けた。結果、38歳での東大合格を果たした。
浪人生活で得たもの
倉田さんは「浪人したら人生が劇的に変わった」と語る。勉強を通じて得た知識や思考力は、芸人としての活動にも良い影響を与えたという。自身の経験から、「年齢を理由に挑戦を諦める必要はない」と強調する。
現在も倉田さんは東大で学びながら、講演活動などを行っている。その姿は、多くの人に「挑戦することの大切さ」を伝えている。



