38歳で東大合格の芸人さんきゅう倉田、浪人で人生激変「1日10時間勉強」3年間の執念
38歳東大合格芸人、浪人で人生激変 1日10時間の執念

浪人という選択肢を取る人が20年前と比べて半減している現代。浪人してでも特定の大学を目指す人が減少する中、浪人は人にどのような変化をもたらすのか。教育系ライターの濱井正吾氏(自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格)が、浪人経験者にインタビューし、その道を選んだ意義や頑張れた理由を探るシリーズ。今回は、日本大学理工学部建築学科を卒業後、東京国税局に入局。その後退職し、吉本興業のNSC東京校に入学して芸人として活動しながら、2020年から東大受験を開始。2023年3月に38歳で東京大学文科2類に合格したお笑い芸人・さんきゅう倉田さん(本名・倉田明典)に話を聞いた。

国税局からお笑い芸人、そして東大へ

さんきゅう倉田さんは横浜育ち。高校時代は「将来の夢も、志もなかった」と振り返る。成績はオールBで、特に秀でたものはなかったという。日本大学理工学部建築学科に進学後、東京国税局に就職。しかし、公務員の仕事に疑問を感じ、退職して吉本興業のNSC(養成所)に入学。芸人として活動する中で、2020年から東大受験を決意した。

「すでに大学を卒業していたのに、なぜまた受験したのか」という問いに、倉田さんは「高学歴の人たちと自分の賢さはそんなに変わらないと思ったから」と答える。芸人の仕事を通じて出会った東大卒の先輩たちと話すうちに、自分も努力次第で追いつけると確信したという。

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3年間、1日10時間の勉強を続けて“体は限界”

倉田さんは浪人生活中、1日10時間の勉強を3年間継続した。「体は限界だった」と振り返るが、その執念の裏には「芸人としての活動が勉強のモチベーションになった」という。ライブや営業の合間に時間を捻出し、通勤電車や休憩時間もすべて勉強に充てた。特に数学と英語に苦戦し、基礎から徹底的にやり直したという。

倉田さんは「浪人したら人生が『劇的に』変わった」と断言する。浪人生活を通じて、自分と向き合う時間が増え、目標達成のための忍耐力や計画性が身についた。また、同じ目標を持つ仲間との出会いが大きな励みになったと語る。

中小企業の課題を解決する仕事をしたい

東大合格後、倉田さんは現在、文科2類で経済学を学んでいる。将来の目標は「中小企業の課題を解決する仕事をしたい」と語る。国税局時代に中小企業の税務調査を経験し、経営の厳しさを目の当たりにした。その経験から、経営者目線で支援できる人材になりたいと考えている。

「浪人という選択は、自分を成長させる大きなチャンスだ」と倉田さんは強調する。現代の教育環境では浪人がネガティブに捉えられがちだが、彼のように浪人を経て人生が好転した例もある。浪人を検討する人へのメッセージとして、「自分を信じて、目標に向かって努力し続ければ、必ず道は開ける」と語った。

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