英裁判所、二重国籍の中国スパイに実刑判決
英ロンドンの中央刑事裁判所は6月18日、中国当局の指示で英国在住の香港民主活動家を監視していたとして、国家安全保障法違反(外国の情報機関を支援した罪)で二重国籍の男2人に拘禁刑の実刑判決を言い渡した。判決は、元英国境警備隊員の衛志樑(ピーター・ワイ)被告(40)に拘禁10年、元香港警察官の袁松彪(ビル・ユエン)被告(65)に拘禁8年となった。
「影の警察活動」と裁判長
裁判所は、両被告が英国内で香港の反体制派や亡命中の民主活動家を標的とした「影の警察活動」を行っていたと認定。ボビー・チーマグラブ裁判長は、両被告の行動は「意図的で組織的、かつ重大なもの」であり、監視対象となった人々に恐怖と苦痛を与え、「現実かつ重大な」危害をもたらしたと述べた。
両被告は今年5月、2か月にわたる公判の末、国家安全保障法に基づき「外国の情報機関を支援した罪」で有罪判決を受けていた。ワイ被告はさらに、英内務省のコンピューターシステムに不正アクセスし、香港当局が関心を持つ人物の情報を探したとして、職権乱用罪でも有罪となった。
香港政府は否定、英中関係悪化
香港行政府は18日、スパイ行為を「事実無根のデマで中傷だ」と否定し、事件は「香港行政府、ロンドンの香港経済貿易代表部、およびその職務とは一切関係がない」と主張。英国側が「根拠のないデマに基づいて立憲し、有罪判決を確実に勝ち取るために法律を乱用して司法手続きを操作した」と批判した。
香港で2020年6月に厳格な国家安全維持法(国安法)が施行されて以降、中国当局から指名手配された民主活動家ら数万人が英国に移住。英中両国はスパイ行為を非難し合い、関係が悪化している。
英国政府の対応
アンジェラ・イーグル治安担当相は、今回の判決について、英国は「外国を支援するためにわが国の法律を犯し、英国の安全保障を危険にさらす者を容認しない」という明確なメッセージを送るものだと説明。「引き続き中国の責任を追及し、英国民の安全を危険にさらすあらゆる行為に対して措置を講じていく」と強調した。これには、香港警察による逮捕状の執行や懸賞金の提示など、「英国内での違法行為を助長する」ような行動への対抗措置も含まれるという。
英国の中道左派・労働党政権は中国との関係改善を模索しているが、ロンドン市内での中国の大規模な「メガ大使館」建設計画の承認などをめぐり、国内から反発を受けている。



