誰も知らない、シングル介護&ダブルケア&家庭タブーの世界。今回は、新卒SEからレジ打ち、清掃、生活保護へと転落し、ライブチャットに30万円を浪費した38歳男性が、運動によって人生を再生した物語をお届けする。
就職後1カ月で退職、社長と専務がアパートに
安藤鈴太郎さん(仮名・30代)は、中部地方の海辺の町で生まれ育った。両親と妹との関係は「情が薄い」と伯母に言われるほど無口な家庭だった。小学校では授業中に立ち歩くなど落ち着きがなく、大学で一人暮らしを始めてからは、作業しながら会話できない自分に気づき、発達検査を受けた結果、「境界知能」と診断された。
大学卒業後、地元のIT企業にSEとして就職したが、東京での研修に適応できず、1カ月で退職を決意。社長と専務がアパートを訪れ、「なぜ面接で言わなかった」と叱責された。その後、安藤さんはアルバイトを転々とするが、どれも長続きしなかった。
ライブチャットに月30万円、生活保護へ
アルバイトで得た収入はわずかだったが、安藤さんはライブチャットにのめり込み、月に30万円も浪費。実家からの仕送りも止まり、最終的に生活保護を受給するに至った。しかし、そんな中でも「31歳からの日記」を書き始め、自分の感情を整理するようになった。
運動が人生を変えた
転機は、ある運動との出会いだった。安藤さんは、軽い運動から始め、次第にランニングや筋トレを習慣化。運動によって精神的な安定を取り戻し、自己肯定感が高まった。さらに、運動仲間との交流が社会とのつながりを生み、自立への一歩を踏み出した。
7年後、安藤さんは生活保護を脱し、清掃の仕事を続けながら、自分のペースで働ける環境を整えた。彼は言う。「運動がなければ、今の自分はなかった。体を動かすことで、心も動かされた」と。
この事例は、発達障害や境界知能を抱える人々にとって、運動が単なる健康維持だけでなく、人生の再生に大きく寄与する可能性を示している。



