中部電力は、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の廃炉作業を巡り、2024年度の廃炉費用の申請時に、資金を管理する「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」(青森市)に対し、一部工事の内容を書き換え、実際とは異なる数値を報告していたことが分かった。実情と異なり、計画通りに実施したように装っていた。
外部からの指摘で発覚
今回の不正発覚は、機構が2026年7月、中部電力に対し、つじつまの合わない申請資料の確認を求めたことがきっかけだった。2026年1月に発表した浜岡原発のデータ不正問題でも、2025年2月に原子力規制委員会が情報提供を受け、中部電力が調査を始めた経緯がある。いずれも外部からの指摘だった。
廃炉作業と再稼働審査の準備では性質が異なるが、データを勝手に変更するコンプライアンス(法令順守)の欠如や原子力部門の閉鎖性では共通している。
原因究明は今後の調査に
相次ぐ不祥事に、大塚温久・原子力部長は2026年8月27日の記者会見で「組織的な要因など原因をきちんと押さえないといけない」と述べた。事実が書き換えられた理由については、「なぜ計画と一致させたかったのかは、今後の調査のポイントになる」と述べるにとどまった。計画通りに進まなかった場合のペナルティーなどはないという。ただ、担当部署内で計画必達のプレッシャーが生じていた可能性もある。
データ不正問題では、外部の弁護士で構成する調査委員会に事実関係や原因の調査を委ねている。
会見での主なやり取り
――書き換えの理由は。
「『計画通りの実績としたかった』という意見が得られているが、これが全ての理由ではないと思っている。社外の弁護士による聞き取りを実施している」
――書き換えによって受領額は過大になったのか。
「書き換えがあったのは、解体した機器や重量だった。その重量を変えたことが金額にどのように影響を与えたのか調査していく」
――書き換えは組織的に行われたのか。
「単一の個人で実施したものではないと捉えている。一つの部署が関わっているのは間違いないが、その広がりを確認している」
――浜岡原発を巡る不正が続いていることへの受け止めは。
「原子力事業者としての信用を大きく損なった。地域の方々にも大変な迷惑と心配をかけた。組織の問題と捉えている」



