外国人住民の比率が10%を超える市区町村(政令市の行政区を含む)が令和8年1月時点で全国34市区町村に上り、前年から7市区町村増えたことが分かった。「外国人比率10%」は、社会の分断や政治の混乱が指摘される欧州主要国と同等の水準で、外国人の受け入れを巡る法相の報告書でも注視されている。政府は今月7日、在留外国人比率や上限を管理する「量的マネジメント」を視野に、中長期的な外国人受け入れ政策の検討を始めた。
全国平均は3.2%、前年から0.3ポイント上昇
総務省が先月29日公表した8年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査をもとに、NPO法人「多文化共生リソースセンター東海」(名古屋市)が外国人比率を市区町村単位で集計した。全国の4市3区10町9村と政令市の8行政区の計34市区町村で外国人住民が人口の1割を超えており、前年から7市区町村増えた。全国平均は3.2%(総人口1億2376万7642人のうち外国人403万1159人)で、前年の2.9%から0.3ポイント上昇した(小数点第2位以下切り捨て)。
リゾート型と工場型、新たに10%超えは7市区町村
外国人比率が最も高かったのは北海道赤井川村の36.7%で、前年は最高だった同じく北海道の占冠(しむかっぷ)村は1ポイント減の35.5%で2番目だった。いずれも主に、外国人に人気のスキーリゾートで働く外国人従業員が多いためという。新たに10%を超えたのは新潟県湯沢町、群馬県昭和村、茨城県八千代町、同県利根町、愛知県高浜市、神奈川県愛川町と行政区の大阪市東成区で、このうち湯沢町は北海道の町村と同様の「リゾート型」。他の町村は工場などで就労する外国人とその家族が増えた「工場型」とみられる。
政府は有識者会議で基本方針を検討
中長期的な外国人の受け入れ政策を巡っては、当時の鈴木馨祐法相の勉強会が昨年8月、「外国人比率10%時代」を想定した報告書を公表。「日本以外の多くのG7諸国では、いわゆる移民流入問題などが社会の分断のきっかけとなり、政治や社会の安定を大きく揺るがす事態となっているとの指摘がある」とし、日本の外国人比率が経済協力開発機構(OECD)平均の11%と同様に「10%台となったとき何が起こるのか」と問題提起した。その上で在留外国人の量的マネジメントや在留資格ごとの受け入れ上限設定の是非を含めた検討の必要性を挙げた。政府は今月7日、外国人受け入れの基本的なあり方を検討する有識者による作業部会の初会合を開催。背景には、昨年10月の自民党と日本維新の会の連立政権合意書で明記された、在留外国人の量的マネジメントを含む人口戦略の策定がある。政府は有識者の議論を踏まえ、今年度中に外国人受け入れの基本方針を取りまとめる。
赤井川村では生活面の課題も
今回、外国人比率が36.7%で全国最高となった北海道赤井川村は、人口1475人のうち542人が外国人。冬のリゾート地として外国人移住者やインバウンド(訪日客)の増加に伴う外国人ホテル従業員らが急増した「リゾート型」で、インドネシア人の増加が目立つという。外国人住民が増えた影響について、村の担当者は「ごみ出しルールなど生活面のほか、外国人のバス通勤が増えて学生が乗れないこともある」(総務課)と話した。



