劇作家シェークスピアの「マクベス」に「どんなに長い夜にも必ず夜明けはある」というセリフがある。先日会った元駐中国大使が、この言葉を自らに言い聞かせるように口にした。昨年11月の高市早苗首相の「台湾有事」答弁を機に谷底まで落ち込んだ日中関係が話題になった時のことだ。
密室で話すべき内容
元大使は「高市首相の発言は密室で防衛省や外務省など担当者を交えて話す事柄であり、国会ましてやテレビの前で言うべき話ではない」と指摘する。一方、中国が日本との交換留学を一部取りやめたことにも触れ、「中国もあきれるばかりの度を越えた反応で、高市さんに塩を送っているようなもの。今や日本の政界や世論は『中国の恫喝に負けるな』という反中ムード一色だ」と嘆いた。
その上で「中国との関係は、いまの状況を冷静に耐え、静かに夜明けを待つということだろう。ただ、いつ夜が明けるかは全く見通しが立たない。今回は深刻です」と続けた。
自民党内の議論
自民党内では台湾有事を想定した議論が進むが、元大使は「話ができない。意味がない」と述べ、対話の難しさを強調した。高市政権の対中政策は、威勢のいい言葉ではなく、適切な管理が求められている。



