広島平和宣言全文 被爆81年 核廃絶へ行動呼びかけ
広島平和宣言全文 被爆81年 核廃絶へ行動呼びかけ

被爆から81年が経過した2026年8月6日、広島市で平和記念式典が開かれ、松井一実市長が平和宣言を発表した。宣言では、核を脅しの道具に使う軍事侵攻や国際法を無視する大国の行動を批判し、核兵器廃絶への決意を改めて示した。

核抑止力への依存を批判

宣言は、今年開催されたNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議で、過去2回に続き成果文書が不採択となったことに言及。その原因を「他国に責任を転嫁し自国の行動を正当化する為政者の言動」にあるとし、世界の平和と安定を揺るがすものだと指摘した。

その上で、「このままでは世界中で不信の連鎖が進み、欲望がむき出しになっていた第2次世界大戦の時代に回帰してしまう」と警鐘を鳴らし、核兵器の非人道性を軽視することは「第三のヒロシマ・ナガサキを作り出すことになりかねない」と訴えた。

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被爆者の体験を紹介

宣言では、被爆者の具体的な体験を紹介。当時16歳だった女性は、被爆した姉の顔が「まるで骸骨のように皮膚が崩れてなくなり、唇のない口から歯がむき出しになっていた」と振り返った。3歳で被爆した女性は、55歳で白血病を発症し原爆症と診断され、「いつも次にどんな病気がくるのかという恐怖と隣り合わせの日々だった」と語った。また、当時9歳だった男性は、ロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにし、「争いが起きない世界を創るため、自分の中の争いの心を乗り越え、相手の考えを受け入れる気持ちを持ってほしい」と若い世代に訴えた。

若い世代への提案

松井市長は、若い世代に向けて「価値観の異なる人々との国境を越えた交流を深めてください」と提案。交流を通じて喜びや楽しさ、夢や希望を共有し、平和のために日常生活でできることを実践し、行動の輪を広げるよう呼びかけた。

その上で、広島市は平和首長会議の8589の加盟都市と連帯し、「ヒロシマの心」を世界に訴え続けると述べた。

世界の為政者への訴え

宣言は、世界の為政者に対し「いったい、いつまで失望させ続けるのですか」と問いかけ、被爆地を訪れ、ヒロシマ・ナガサキの悲劇と向き合い、核兵器廃絶への決意を世界に発信するよう求めた。特に核保有国の為政者には、核軍縮に大きな責任があるとして、自ら範を示すよう求めた。

日本政府への要求

日本政府に対しては、日本国憲法が掲げる崇高な理想を自覚し、国際社会の平和と安定に貢献し続けることを表明・実行するよう要求。その具体策として、今年11月から開催される核兵器禁止条約の再検討会議へのオブザーバー参加と、一刻も早い締約国入りを求めた。また、平均年齢が86歳を超えた被爆者の支援策について、在外被爆者を含めた援護の充実を強く求めた。

最後に、原爆犠牲者の御霊に哀悼の誠を捧げるとともに、「世界中の皆さん、被爆者の切実な思いが込められた『ヒロシマの心』を胸に、共に行動することで世界を変えていきましょう」と締めくくった。

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