習近平7年ぶり北朝鮮訪問の背景:金正恩に笑顔を見せざるを得ない中国の三重苦
習近平7年ぶり北朝鮮訪問の背景:中国の三重苦

2026年6月8日、中国の習近平国家主席が7年ぶりに北朝鮮を訪問し、金正恩総書記と首脳会談を行った。国際政治学者の伊藤隆太氏(防衛大学校共同研究員/戦略コンサルタント)は「中朝関係は大きく変化しており、習近平氏が満面の笑みで金正恩氏のもとに出向いた背景には、中国を締め上げる三重苦がある」と指摘する。

「満面の笑み」で友好アピール

歓迎式典での「満面の笑み」は、中朝の揺るぎない友情を見せる舞台装置だった。しかし、北朝鮮はロシアに兵士を派遣し、中東ではイラン戦争がホルムズ海峡を揺さぶり、米国は台湾支援と朝鮮半島への関与を維持している。なぜ習近平は、今金正恩を丁重に扱う必要に迫られたのか。

北朝鮮の派兵と中国の悩み

北朝鮮はウクライナ戦争に兵士を送り、プーチンに「血の貸し」を作った。ロイター通信(2026年4月26日配信)によれば、北朝鮮はロシア軍とともに戦うため、推定1万4000人をクルスク方面に派遣し、韓国、ウクライナ、西側当局者は6000人超が死亡したとみている。金正恩は犠牲を国家的な顕彰へ変え、4月28日には平壌で海外軍事作戦の戦没者をたたえる記念館が公開された。北朝鮮の後ろ盾がもう一つ増え、頭を抱えているのは中国である。

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立場逆転の大誤算

かつて北京が「管理する側」だった北朝鮮に対し、中国の最高指導者がなぜこれほど丁重な笑顔を向ける必要に迫られたのか。背景には、中国を締め付ける三重苦がある。イラン戦争が中国を締め上げ、台湾問題や米国の関与も影響している。習近平は北朝鮮を粗末に扱えなくなった。

日本に跳ね返る「危機の連鎖」

金正恩は「大きな勝利」を手にし、北朝鮮を引き留める側に回っている。この構図は日本にも跳ね返る「危機の連鎖」を生み出す可能性がある。

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