築30年の元ガラ空き団地が移住者の聖地に大化けした理由
築30年の元ガラ空き団地が移住者の聖地に

長野県佐久市にある築30年の元市営団地「下越団地」が、移住者向け賃貸住宅「ホシノマチ団地」として生まれ変わり、「移住者の聖地」と呼ばれるまでに人気を集めている。かつては5年以上新規入居者がおらず、半数以上が空き室という状態だったが、地域の特性を活かした再生プロジェクトにより、現在は入居待ちが出るほどの人気物件となった。

星のまちに生まれた異色の団地

佐久市臼田地区は、JAXA臼田宇宙空間観測所や公開天文台「うすだスタードーム」があり、「星のまち」として知られる。街中には「いて座通り」「おとめ座通り」など星座にちなんだ名称が付けられ、ロケット型の展望台「コスモタワー」も存在する。この地域で、壁面に星座のモチーフが彫られた4階建ての「ホシノマチ団地」が注目を集めている。

5年以上入居ゼロからの再生

ホシノマチ団地の前身は、1996年に建設された市営住宅「下越団地」B棟。特定公共賃貸住宅として中堅所得者向けに提供されていたが、地方では持ち家志向が強く、家賃の割高感もあり、徐々に入居者が減少。事業開始前には5年以上新規入居者がおらず、半数以上が空き住戸という状態だった。2018年、佐久市が進める「臼田地区生涯活躍のまち事業」の一環として、B棟の一部を移住者向け住宅に再生する計画が動き出し、公募型プロポーザルで「佐久市臼田地区活性化共同企業体」(代表法人:株式会社みんなのまちづくり)が選出された。

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移住者の生活を支える取り組み

プロジェクトの基本理念は「移住して終わりではなく、移住した後の生活が大切」というもの。単に住居を提供するだけでなく、移住者同士の交流促進や地域とのつながりを重視。団地内には共有スペースを設け、イベントやワークショップを定期的に開催している。また、この地域は佐久総合病院本院を中心に古くから地域医療・農村医療の拠点として知られ、医療面での安心感も移住者を引き付ける要因となっている。

教育移住者も増加

ホシノマチ団地の成功は、単なる移住者増加にとどまらない。子どもの教育環境を求める「教育移住者」も増加している。佐久市は自然豊かでありながら、病院や学校などのインフラが整い、都会からの移住者にとって子育てしやすい環境と評価されている。団地の入居者からは「星がきれいで、子どもと一緒に天文台に行けるのが魅力」といった声も聞かれる。

地域活性化のモデルケースに

築30年の空き団地が、地域資源を活用した再生により「移住者の聖地」へと変貌を遂げた事例は、全国の地方自治体から注目を集めている。佐久市は今後も臼田地区の魅力を発信し、さらなる移住促進を図る方針だ。

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