築30年「ガラ空き団地」が移住者の聖地に大化けした理由
築30年ガラ空き団地が移住者の聖地に大化け

築30年を超え、5年以上も入居希望がゼロだった「ガラ空き団地」が、今や移住者の聖地として生まれ変わった。その団地とは、移住者向け賃貸住宅「ホシノマチ団地」だ。コロナ禍によるリモートワークの普及を追い風に、地方での暮らしを求める働く世代が殺到。現在は22室すべてが運用され、教育目的の移住者も増えている。

空き部屋だらけの団地が抱えた課題

ホシノマチ団地は、地方都市に位置する築30年の団地。周囲からは「移住者が団地に住みたいなんて、ないでしょう」と心配する声もあったという。しかし、コロナ禍で在宅勤務が広がる中、リモートワークを前提に地方移住を考える働く世代からの問い合わせが相次いだ。

「『今住んでいる場所に残る理由がなくなった』と引っ越しを考える方、『面白そう』という方もいらっしゃいました。きっと埋まるだろうという手応えがありました」と、担当者の牧原さんは振り返る。

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目標達成と事業継続

無事に目標の6部屋が埋まり、事業継続が決定。現在は22室がホシノマチ団地として運用されている。この成功は、リモートワーク時代に適した間取りと、都市部に比べて格段に広い住空間が評価された結果だ。

リモートワーク時代に合った団地の間取り

気になる団地の内部は、どのようになっているのか。住戸タイプは1LDK(54.4平方メートル)と3DK(71.7平方メートル)の2種あり、全室南向きだ。バス・トイレ別、独立洗面台があり、その横に洗濯機置き場もある。浴室は給湯式で、機能面は古くない。

今回見学したのは3DKの住戸だ。足を踏み入れると、その広さに驚いた。玄関から廊下、各部屋へと歩くと、一般的なアパートとは違うゆとりを感じた。ダイニングキッチンの隣にある畳の部屋や、大きな押入れも特徴的だ。室内は畳の部屋があり、キッチンセットや洗面台の色、蛇口などに、築30年の建物らしい懐かしさもある。

都市部から移住する人にとって魅力的な家賃と広さ

都市部のワンルームと同程度の家賃で、はるかに広い住空間を確保できる点が、移住希望者にとって大きな魅力となっている。特にリモートワークが定着した今、自宅に仕事スペースを確保できる間取りは重要だ。ホシノマチ団地の3DKは、仕事部屋と寝室、リビングを分けて使えるため、在宅勤務の快適さが格段に向上する。

教育移住者の増加

さらに近年は、子どもの教育環境を求めて移住する「教育移住者」も増えている。地方の自然豊かな環境でのびのびと子育てをしたいという家族や、都市部の競争の激しい教育方針に疑問を感じた家庭が、団地暮らしを選ぶケースが目立つ。団地内には子育て世帯向けのコミュニティスペースも整備され、移住者同士の交流も活発だ。

「最初は本当に埋まるのか不安でしたが、今では入居待ちの状態です。移住者の皆さんが団地に新たな命を吹き込んでくれています」と牧原さんは語る。

再生の鍵は柔軟な発想と時代のニーズ

築30年の元ガラ空き団地が「移住者の聖地」に変貌した背景には、リモートワークの普及という時代の変化を捉えた柔軟な発想があった。単なる空き室対策ではなく、移住希望者のニーズに合わせたリノベーションと、コミュニティ形成の支援が成功の鍵と言える。今後もこの団地は、地方移住を考える人々の新たな拠点として注目を集めそうだ。

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