東京から北陸新幹線で約75分、大宮から約55分。佐久平駅で小海線に乗り換え、田園風景を眺めながら30分ほど揺られて到着する臼田駅。その小さな駅舎を出てまっすぐ歩くと千曲川にぶつかり、川に架かる臼田橋からは、緑豊かな丘の上に白いかわいらしい塔が見える。この地域は長野県東部の佐久市臼田地区。2005年の市町村合併前は「臼田町」と呼ばれていた。標高は約700メートルで、箱根駅伝の往路ゴール・芦ノ湖周辺に近い高さに生活圏が広がっている。
築30年の団地が「移住者の聖地」に
ここにある「ホシノマチ団地」は、かつて5年以上も入居希望がゼロだった築30年の団地だ。しかし現在は「移住者の聖地」と称されるほどの人気物件に変貌を遂げている。当初は50代以上の移住者向けに構想されたが、想定とは異なる層が殺到。リモートワーク時代に合った間取りや、最大8万円台で72平方メートルに住めるお得感が評価され、入居希望者が後を絶たない。
「移住者が団地に住むのか」という不安もあったが、実際には子の教育のために移住する「教育移住者」が増加。団地は移住者と地域をつなぐ場として機能し、団地を出た後も9割近くが市内に定住しているという。
リモートワーク時代に合った間取りと価格
ホシノマチ団地の間取りは、リモートワークに適した設計が特徴。広々としたリビングや個室が確保され、在宅勤務にも対応できる。家賃は最大8万円台で72平方メートルと、都市部に比べて格段に安い。周辺にはスーパーTSURUYAや病院、商店が点在し、生活に不便はない。
移住後もサポート体制が整っており、移住者同士のコミュニティや地域との交流イベントが定期的に開催される。これにより、移住者の孤立を防ぎ、地域に溶け込みやすい環境が作られている。
教育移住者の増加
近年、子の教育のために移住する家庭が増えている。佐久市は自然豊かな環境に加え、教育水準の高さが評価され、特に小中学校の教育環境を重視する家族連れに人気だ。ホシノマチ団地はそうした移住者の受け皿として機能し、団地内でも子育て世帯の割合が増えている。
「住まいも教育環境も最高すぎる」「カーシェアもあるなんて…!」といった声が移住者から寄せられており、SNSでも話題となっている。
団地を出た後も9割が定住
ホシノマチ団地は、移住者にとって最初の住まいとしてだけでなく、地域に根付くきっかけを提供している。団地を退去した後も、約9割の人が佐久市内に住み続けているというデータがあり、地域の定住促進に大きく貢献している。
北陸新幹線の開通により、東京へのアクセスが向上したことも追い風となっている。佐久平駅から東京駅までは約75分と、通勤圏内でありながら、豊かな自然と広い住空間を手に入れられる点が、都市部からの移住者を引きつけている。



