北朝鮮は、韓国が自国領空や周辺海域でGPS(全地球測位システム)の電波を妨害しているとして、国際海事機関(IMO)に抗議の申し立てを行った。北朝鮮の国営メディアが8日に報じたところによると、平壌の順安国際空港や複数の船舶でGPS受信障害が発生し、航空機の運航や船舶の航行に深刻な支障が出ているという。
北朝鮮の主張と具体的な被害
北朝鮮は、韓国が2023年5月以降、北朝鮮領土内の複数地点でGPS信号を妨害していると非難。特に、平壌の国際空港では航空機の離着陸に必要なGPS情報が不安定になり、安全な運航が脅かされていると主張する。また、北朝鮮の船舶も位置情報を正確に受信できず、航海に支障をきたしているとされる。北朝鮮は、こうした行為は国際法違反であり、IMOの規定に反するとしている。
韓国の立場と背景
韓国政府は、北朝鮮によるGPS攪乱への対抗措置として、限定的な電波妨害を行っていることを認めている。韓国軍関係者は「北朝鮮が軍事境界線付近でGPS攪乱を繰り返しているため、やむを得ず対応している」と説明。北朝鮮はこれまでにも韓国側でGPS誤作動を引き起こす攪乱電波を発信しており、韓国政府は「自衛的な措置」と位置付けている。
国際的な影響と今後の展開
この問題は、朝鮮半島の緊張をさらに高める可能性がある。IMOは、加盟国間の紛争解決を促す役割を担っており、北朝鮮の申し立てを受けて、韓国に説明を求める可能性もある。一方、専門家は「GPS妨害は民間航空機や船舶の安全を脅かす深刻な行為であり、国際社会の介入が必要だ」と指摘する。
北朝鮮は、これまでも韓国や米国による「敵対行為」を国際機関に訴えてきたが、具体的な成果は限定的だ。今回の申し立てが実効性を持つかは不透明だが、朝鮮半島の軍事的緊張が続く中、両国の対立はさらに深まる様相を呈している。



