米国とイランは6月22日、スイス・ビュルゲンシュトックで中東紛争終結に向けた初の直接交渉を終了した。双方は60日以内の最終合意を目指し、実務者レベルの協議を継続することで合意した。仲介国であるパキスタンとカタールが発表した共同声明によると、両国は最終合意へのロードマップで一致し、即座にさらなる協議を開始する基盤を整えた。
ハイレベル委員会がロードマップに合意
共同声明では、交渉を監督するために設置された米イランのハイレベル委員会が「60日以内の最終合意に向けたロードマップに合意し、即座にさらなる実務者協議を開始するための基盤を整えた」と報告。実務者協議は引き続きスイス・ビュルゲンシュトックで実施される。イランのアッバス・アラグチ外相は、パキスタンとカタールの尽力を称賛し、「大きな進展」があったと述べた。一方、米国政府は現時点で声明を発表していない。
レバノン停戦へ「衝突回避セル」設置
米国とイランは、レバノンでの戦闘を完全に停止させるため、両国とレバノン政府の三者による「前線での衝突を防ぐための緊急連絡窓口(衝突回避セル)」を設置することで合意した。仲介国がその運営を監視する。アラグチ外相は21日のX(旧ツイッター)への投稿で、このセルを「最初の本質的な試練」と位置づけていた。
ホルムズ海峡の通信回線開設
両国は「ホルムズ海峡における商船の安全な航行を目的とし、不測の事態や誤認を回避するための通信回線」を設置。この回線は、双方が先に署名した覚書に規定された60日間にわたって適用される。覚書の中でイランは、商船の安全な航行を確保するために「最善の努力」を尽くすと誓約。なお、イランは20日、イスラエルによるレバノン攻撃を理由にホルムズ海峡を再び封鎖すると発表していた。
一部資産凍結解除と制裁免除
アラグチ外相は22日のXへの投稿で、「石油および石油化学製品の輸出禁止措置が免除され、封鎖が解除され、一部の資産凍結が解除された。また、イランに対する大規模な復興・開発計画が始動した」と明らかにした。しかし、パキスタンとカタールの共同声明には資産凍結解除への言及はない。一方、両国が交わした覚書の中で、米国はイランに対する「あらゆる種類の制裁を終了」し、イランの「凍結または制限された資金や資産を完全に利用可能にする」としている。ホワイトハウスはアラグチ外相の発言に関するAFPの取材要請に応じていない。
パキスタンとカタールが仲介役を強化
パキスタンとカタールは、米イラン間の合意における仲介国として国際的な存在感を高めており、第1回交渉終了に際して共同声明を連名で発表した。両国は「仲介国として最終合意への到達を目指し、建設的な雰囲気の中で交渉が継続されるよう今後も全力を尽くす」と表明。アラグチ外相もXで「パキスタンとカタールによる精力的な仲介」に謝意を表した。



