米中対立が半導体業界に与える影響は大きく、サプライチェーンの再編が世界的に進んでいる。こうした中、日本企業は装置や材料分野での優位性を活かし、新たなビジネスチャンスを掴もうとしている。
半導体サプライチェーンの再編
米国政府は中国への先端半導体輸出規制を強化し、中国は自国での半導体製造能力の向上を急いでいる。この動きにより、従来のサプライチェーンが大きく変化し、新たな供給網の構築が求められている。
日本は半導体製造装置や材料で世界トップクラスのシェアを持つ。東京エレクトロンや信越化学工業などの企業は、この再編の中で存在感を高めている。
日本企業への追い風
半導体製造装置市場では、東京エレクトロンが世界第3位のシェアを誇る。同社は先端プロセス向け装置で強みを持ち、米中双方からの需要を取り込んでいる。
材料分野では、信越化学工業がシリコンウエハーで世界シェア約3割を占める。同社は中国市場向けの販売を強化しており、2023年の売上高は過去最高を更新した。
新たな需要の創出
米中対立は、半導体の自国生産を促進する動きを加速させている。米国ではCHIPS法に基づく補助金で、インテルやTSMCが新工場を建設中。中国でも国産化率の向上を目指し、多数のファブが計画されている。
これらの投資は、日本の装置・材料メーカーにとって大きなビジネスチャンスとなる。特に、微細化プロセスに必要な高精度な装置や、先端パッケージング向け材料の需要が高まっている。
課題とリスク
一方で、地政学的リスクも存在する。米国による規制強化は、中国市場への依存度が高い日本企業にとって打撃となる可能性もある。また、中国の国産化が進めば、中長期的には競争が激化する恐れがある。
専門家は「日本企業は技術優位性を維持しつつ、リスク分散を図る戦略が重要だ」と指摘する。
今後の展望
半導体業界の構造変化は、日本企業にとって試練であると同時に、飛躍の機会でもある。装置・材料分野での強みを活かし、グローバルな需要を取り込むことで、成長が期待される。
政府も半導体戦略を強化しており、ラピダスなどの先端プロジェクトへの支援や、国内生産基盤の強化を進めている。産官学が連携し、日本の半導体産業の競争力を高める取り組みが加速している。



