日本は原発を維持して正解だった…36年前に全原発を閉鎖したイタリアが今支払う大きな代償
日本は原発維持で正解…イタリアが支払う代償

2026年5月にプレジデントオンラインで反響を呼んだ国際経済部門第2位の記事を再掲する。日本が原発を維持してきたことの意義が、イタリアの事例から浮き彫りになる。

原発回帰へ動くメローニ政権

イラン発のエネルギーショックを契機に、イタリアでも原発再稼働の動きが加速している。イタリアは1986年のチェルノブイリ原発事故を受け、国内4基の原発を1990年までにすべて閉鎖した。脱原発の先進国とされたが、右派政治家にとって再稼働は長年の悲願だった。

脱原発後、イタリアは慢性的な電力不足に悩まされた。経済低迷の大きな要因の一つが不安定な電力事情にあるとの認識から、産業界寄りの右派政治家は原発再稼働を模索し続けた。中道右派の重鎮シルヴィオ・ベルルスコーニ元首相もその一人だった。

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ベルルスコーニ元首相は第4次政権末期の2011年6月、原発再稼働の是非を問う国民投票を実施した。しかし福島第一原発事故直後だったため、94%の投票者が再開に反対した。その後、イタリアは再生可能エネルギーの普及に本格的に舵を切り、2024年時点で再エネが電源構成の50%を占めるに至った。

エネルギー危機が変えた状況

2022年10月に就任したジョルジャ・メローニ首相は、原発再稼働の是非を国民に問う姿勢を強めている。背景には、欧州連合(EU)で原発活用の機運が高まったことがある。首相就任直前の2022年2月に発生したロシア発のエネルギーショックで、イタリアのエネルギー価格も高騰した。

EUは原発を脱炭素化と脱ロシアの両方に適う電源として推進する姿勢を鮮明にした。ドイツやスペインなど一部の国は反対したが、多くの国が原発利用推進に賛同した。長年再稼働を模索してきたイタリアの右派政治家にとって渡りに船となり、メローニ首相もこの流れに乗った。

イタリアの経験は、脱原発がもたらす代償の大きさを示している。日本が原発を手放さずにきたことは、エネルギー安定供給の面で正しい選択だったと言えるだろう。

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