中国「民族団結法」7月施行、日本企業・日本人への影響とリスクを解説
中国「民族団結法」7月施行、日本企業への影響

2026年7月1日、中国で「民族団結進歩促進法」(以下、民族団結法)が施行される。この法律は、中国共産党指導部に対する批判を封殺するだけでなく、中国に進出した海外企業が撤退する自由を奪う可能性があると、評論家で千代田区議会議員の白川司氏は指摘する。日本にとって、中国に投資するコストは格段に大きくなるだろうという。

民族団結法の概要と三つの柱

民族団結法は2026年3月12日、全国人民代表大会(全人代)で可決され、7章65条で構成される。「中華民族共同体意識」の強化を国家全体の任務と位置づけ、少数民族政策の一般法にとどまらず、教育、言語、出版、インターネット、企業活動、宗教、対外発信、香港・マカオ・台湾、海外華僑までを一体で規律する構造だ。

白川氏は、この法律を「習近平指導部が長年にわたって積み上げてきた『対外弾圧インフラ』の完成形であり、日本企業と日本人の言論そのものを標的にする『最終兵器』」と評する。

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法律は主に三つの柱で構成される。第一の柱は言語の一本化で、教育や行政、公共の場での標準中国語の推進を制度化。ウイグル語、チベット語、モンゴル語による授業や行政サービスは制度的に排除される。

第二の柱は文化的異議申し立ての犯罪化だ。「暴力的なテロ活動、民族分離主義活動、宗教的過激主義活動」への関与を犯罪とし、独自の文化や言語を守ろうとする少数民族の活動が「分裂主義」として犯罪認定されうる。少数民族や宗教問題で中国政府を批判すると、犯罪に認定される可能性がある。

域外適用条項がもたらすリスク

第三の柱が最も深刻で、第63条の域外適用条項である。「中国国外の組織・個人が民族団結を破壊し民族分裂を作り出す行為を行った場合、法的責任を追及する」と明記。日本に居住する日本人が少数民族や宗教問題で中国を批判すると、中国政府から犯罪者として扱われる可能性がある。

白川氏は「はっきり言って、横暴の極みだが、中国はすでにそういった国家になっており、私たちとしては面と向かって対策を立てていくしかない」と述べる。

この法律は、中国国内だけでなく海外での弾圧行為に「お墨付き」を与える。東京・秋葉原にも秘密警察の拠点があるとされ、中国が日本で日本人を逮捕する可能性も指摘される。さらに、強制労働の実態調査にも高いハードルが設けられる。

日本企業への影響と経営判断

白川氏は、この法律が日本企業に与える影響として、投資を歓迎する一方で出口を封じる点を強調する。「台湾を支持する」と言っただけで逮捕されるリスクもあり、7月1日以降、日本企業は厳しい経営判断を迫られる。

中国に進出する日本企業は、撤退の自由が奪われる可能性に備え、リスク管理を強化する必要がある。白川氏は「中国に投資するコストは格段に大きくなる」と警告する。

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