100万円運用なら差は約98万円――国債とオルカンの運用成果を比較
2026年6月募集分の個人向け国債「変動10年」の適用金利が年1.74%と過去最高を記録し、注目を集めている。片山さつき財務相が「家計資産のポートフォリオにおいてもっと選ばれてもいい金融商品」と述べたことも話題となった。そこで今回は、個人向け国債に100万円を投資した場合の受取利子を試算し、人気の投資信託「オルカン」と運用成果を比較する。
個人向け国債とオルカンの特徴
個人向け国債は国が発行する債券で、原則として個人のみ購入できる。「変動10年(変動金利型10年満期)」「固定5年(固定金利型5年満期)」「固定3年(固定金利型3年満期)」の3タイプがあり、変動10年は金利が半年ごとに見直されるのに対し、固定5年・固定3年は満期まで金利が変わらない。いずれも年率0.05%(税引前)の最低金利が保証され、発行から1年経過すれば途中換金も可能(その場合、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれる)。
一方、オルカンは三菱UFJアセットマネジメントが提供する投資信託で、正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスへの連動を目指すインデックスファンドで、1本で全世界の株式に分散投資できる。リスクを抑えながら安定したリターンが期待でき、運用コスト(信託報酬)が低いことでも知られ、新NISAでも利用しやすい。
個人向け国債は安全性重視の手堅い運用に、オルカンはリスクを受け入れつつ世界経済の成長を見込む長期投資に向いている。
利子と運用益をシミュレーション
100万円を運用した場合の受取利子と運用益を比較する。オルカンの平均利回りは直近5年で約20%だが、長期視点で慎重に想定し、同じ指数に連動するETFの過去30年の年率リターンを参考に年率8%として計算。運用コストや税金は考慮しない。
10年運用
個人向け国債「変動10年」の利子は17万4,000円、オルカンの運用益は115万8,925円で、差は98万4,925円。
5年運用
「固定5年」の利子は9万3,000円、オルカンの運用益は46万9,328円で、差は37万6,328円。
3年運用
「固定3年」の利子は4万5,300円、オルカンの運用益は25万9,712円で、差は21万4,412円。
なお、変動10年は半年ごとに金利が変わるため、将来の利子総額は正確に計算できない。ここでは発表金利1.74%が10年間続くと仮定して試算している。
資産形成にうまく役立てたい
個人向け国債とオルカンには利回りに大きな差があり、将来受け取れる金額にも開きが生じる可能性がある。どちらが適しているかは、運用目的やリスク許容度、投資スタイルによって異なる。両方をうまく使い分けることで、より堅実な運用につながることもある。商品の特徴をよく理解し、自身の資産形成に役立てよう。



