50代夫妻、築50年超の自宅をカラフルDIY!老後も人が集まる場所に
50代夫妻、築50年超の自宅をカラフルDIY!老後も人が集まる場所に

千葉県市川市に、ひと目でそれとわかるユニークな外観の家がある。1971年に登場した工業化住宅の先駆け「セキスイハイムM1」を、50代の夫婦がリノベーションし、自分たちの色に染め上げた。地域の仲間100人を巻き込んだDIYを通じて今後50年の未来を見据えた、豊かな選択の物語だ。

この家が、この地域が好きだから、住み続けると決めた

グレーの外壁に、黄色の半円のアクセント。手づくりの鯉のぼりが飾られた愛らしい玄関ポーチから家の中に入ると、パッとワンルーム空間が開け、たくさんの色が目に飛び込んでくる。まるでにぎやかな音楽のシャワーを浴びているような、楽しい気分になる。

外壁や玄関まわりにテーマカラーである黄色の半円形モチーフが。三角形のサインは住所ではなく、名字の「ミナト」を表す。玄関ポーチにはいつも季節の飾り付けをしているそうだ。行事がない時期には庭の花を生けられるようなしかけも用意されている。

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20年間育て続けた、この家と地域コミュニティ

「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025」で総合グランプリを受賞したこの家に暮らすのは、湊セイヤさん・マミさん夫妻とご家族。部屋を埋め尽くすペイントや作品の数々は、マミさん本人や、マミさんが主催するアート教室の子どもたちなどによるものだ。「天井のペイントは、リノベーションした当初、アート教室の子どもたちと一緒に、床に置いた板に絵の具を散らして遊んだものなんです」

現在50代の湊夫妻とこのM1住宅との出合いは、2005年にさかのぼる。当時マンションに暮らしていた一家は、幼い子どもたちが立てる音について下の階から苦情を受けていた。そこへ重なるように、長女と次女のひと言が背中を押した。「外(庭)でごはんが食べられる家に住みたい」。エリアを変えずに庭のある家を探したところ、偶然見つかったのが、このM1住宅だった。

「建て替え」か「リノベ」か。背中を押したのは建築家の友人

湊夫妻は、この家を購入後、20年にわたって少しずつ手を加えてきた。しかし、経年劣化は避けられず、大規模な改修を検討する時期が訪れた。建て替えかリノベーションか。迷う夫妻の背中を押したのは、建築家の友人だった。「この家のポテンシャルを活かして、自分たちらしい空間にしてみませんか」という一言が、夫妻の決断を後押しした。

「遊べるキャンバス」として開放された、新しい1階

リノベーションのコンセプトは「遊べるキャンバス」。1階は全面改装され、壁や天井は白いキャンバスのように真っ白に。そこに、マミさんのアート教室の子どもたちや、地域の仲間たちが自由にペイントを施した。結果、1階はカラフルで個性的な空間に生まれ変わった。ソファやテーブルもDIYで製作し、温かみのある雰囲気を醸し出している。

延べ100人が参加した、DIYリノベの現場

リノベーションはプロの業者に依頼するのではなく、夫妻とその友人、地域の仲間たちによるDIYで進められた。延べ100人もの人々が参加し、ペンキを塗ったり、家具を作ったり、庭を整えたりした。週末ごとに集まる仲間たちとの作業は、まるで祭りのようだったという。このプロセスを通じて、夫妻と地域の絆はさらに深まった。

リノベーションで想定外の変化も受け入れるゆとりが生まれた

DIYリノベーションは、思い通りにいかないことも多かった。しかし、夫妻は「想定外の変化も楽しむ」という姿勢で臨んだ。例えば、塗り始めた壁の色が思ったのと違っても、それも味わいとして受け入れた。そうした柔軟な姿勢が、結果的に唯一無二の空間を生み出した。

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60歳になる前に、次の50年をどこで生きるか考えて動く

湊夫妻は、このリノベーションを通じて、老後を見据えた住まいづくりを実現した。60歳になる前に、次の50年をどこで生きるかを考え、行動に移したのだ。「この家と地域が好きだから、住み続ける」という強い思いが、彼らを動かした。

「ここに居場所があるから、ここに住む」建物や立地より大切なこと

湊夫妻の選択は、単なるリノベーションの成功例にとどまらない。それは、建物や立地よりも「ここに居場所があるから、ここに住む」という価値観の表明だ。地域の仲間と共に創り上げた家は、老後も人が集まる場所として、これからも進化し続けるだろう。