JR西日本グループの直流モーター保守会社である富士電機製作所が、鉄道業界外に新たな活路を見出している。同社は2023年、北大阪商工会議所のビジネスマッチング交流会に参加し、地元交野市の紹介で下水道ポンプの修繕事業に参入した。
直流モーター市場の縮小
JR西日本の115系などに搭載される直流モーターは、新型車両への置き換えで編成数が年々減少。さらに検査周期の延長により修繕機会も低下し、同社の主軸事業は先細りが懸念されていた。
「鉄道業界以外にも目を向けてみた」と話す飛岡氏は、モーターの構造は鉄道以外でも基本的に同じであることに着目。下水道ポンプの修繕に大きなビジネスチャンスを感じ、注力したという。
過酷な環境での技術活用
交野市の下水道ポンプ保守を長年手掛ける交野興業の鈴木健志氏は、当初は「鉄道の環境と違いすぎる」と懸念した。下水道ポンプは水中に設置されるため、防水性と高い信頼性が求められる。一方、鉄道車両のモーターも台車部分に露出し、粉塵や振動、雨水に晒され、故障すれば多くの乗客に影響を及ぼす過酷な環境にある。
「鉄道のモーターもかなり過酷な環境下だったことを知りました」と鈴木氏。この共通点が、異業種参入の鍵となった。
同社は現在も船舶や風力発電など、モーターがあればどんな分野にも関わりたい姿勢で、下水道ポンプ修繕を皮切りに事業拡大を目指している。



