日経平均株価は6月16日、史上初めて7万円台を突破しました。AI・半導体関連銘柄が相場をけん引し、日本株への期待はかつてないほど高まっています。しかし、どんな上昇相場にも調整局面はつきものです。実際、足元では半導体関連株が急落する場面も見られ、過熱感を警戒する声も出始めています。
そこで知っておきたいのが、株価下落時にも利益を狙える「空売り」という手法です。本記事では、空売りの仕組みや信用取引の基礎知識、注意点についてわかりやすく解説します。
日経平均が7万円台を突破
近年続いてきた日経平均株価の上昇は、2026年に入っても継続。5月には6万円台、6月16日には史上初めて7万円の大台を突破しました。その背景にあるのは、AI・半導体関連銘柄の急騰で、キオクシアや東京エレクトロンなどの上昇が相場をけん引しています。
一方で、AI・半導体関連銘柄への期待が高まるなか、過熱感を警戒する声もあります。実際に6月中旬には日経平均が急落する場面もあり、フジクラなど一部の半導体関連銘柄は大幅に下落しました。長期的な上昇基調が続くとしても、こうした調整局面は避けられません。そんな相場環境で知っておきたい手法が「空売り」です。
空売りとは?
通常、株式投資は「安く買って、高く売る」ことで利益を出します。しかし、空売りはその逆で「高く売って、安く買う」ことで利益を狙います。
空売りは「売りから始める」取引を行います。たとえばある株を1万円で売り、9,500円に下がったところで買い戻せば、差額の500円が利益になります。
空売りを上手に活用すると、株価が下落局面でも利益を獲得できる可能性があるのがメリットです。
信用取引とは?
空売りをするには、株式の信用取引を行うことになります。自分が持っていない銘柄を売るには、信用取引を通じて、証券会社から株を借りる必要があるためです。
信用買いと信用売り
信用取引は、お金を借りて株式を買う「信用買い」と、株券を借りて株式を売る「信用売り」の2種類があります。信用売り(=空売り)は、現金や他の株式などを担保として証券会社に提供し、それを基に株を借りることになります。
借りた株券は期日までに返却する必要があるため、それまでに買い戻すことになります。買い戻した株価が、売った時よりも安い場合はその差額が利益となります。
空売りの手数料
株の空売りには、通常の売買手数料に加え、「貸株料」というコストが発生します。約定代金の年利約1.1%を365日で割った金額が1日分のコストです。
さらに、市場で株が不足すると「逆日歩」と呼ばれる追加コストがかかる場合があります。信用取引では、売りたい人(空売り)の数が買いたい人(信用買い)の数を大幅に上回ることがあるためです。
市場で株券が足りなくなった場合、証券金融会社は機関投資家などから株を借りてこなければならず、その調達費用として「逆日歩(品貸料)」が発生するのです。
空売りでおさえておきたい3つのポイント
空売りは下落相場でも利益を出せるチャンスがありますが、損失が膨らむリスクもあります。スマートに取引するために知っておきたいポイントを3つ解説します。
損切りの注文を必ず出しておく
株価が上昇トレンドに転じた場合、「いつか下がるだろう」と粘ると損失が拡大し続けます。事前に「ここまで上がったら必ず買い戻す」という損切りラインを厳格に設定し、リスクを一定の範囲に限定することがもっとも重要です。
価格規制に注意
相場の急落時に市場の混乱を避けるため、「トリガー抵触銘柄」に対しては、直近の取引価格以下での新規空売りを禁止する法令上の規制があります。注文を出す際は、証券会社の取引画面で「空売り規制」の対象になっていないか確認が必要です。
信用倍率をチェック
信用倍率とは、信用取引における「信用買い残(信用買いで保有されている株数)」と「信用売り残(信用売りで保有されている株数)」の比率のことです。投資家がその銘柄に対して強気(買いが多い)なのか、弱気(売りが多い)なのかを判断する材料になります。
銘柄の需給バランス、相場の過熱感・悲観度を読み取るための1つのテクニックとして活用しましょう。
安藤真一郎(あんどうしんいちろう)
マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。
SBIネオトレード証券
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