トヨタ自動車は、水素を燃料とするエンジンを搭載した新型「GRヤリス」を公開した。同社は2026年の発売を目指しており、カーボンニュートラル実現に向けた技術開発を加速する方針だ。
水素エンジンの特徴
水素エンジンは、従来のガソリンエンジンと同様のピストン運動を利用しながら、燃料に水素を使用することで二酸化炭素(CO2)の排出をほぼゼロにする技術。トヨタはこれまでモータースポーツでの実証実験を重ねてきた。
今回公開された新型GRヤリスは、1.6リッター直列3気筒ターボエンジンをベースに、燃料供給系や点火系を水素仕様に最適化。最高出力は272馬力、最大トルクは370Nmを発生し、ガソリンエンジンと同等の走行性能を実現した。
充填時間と航続距離
水素の充填時間は約3分と、電気自動車の急速充電に比べて短く、利便性が高い。航続距離は約600km(WLTCモード)と実用的なレベルを達成。ただし、水素ステーションの整備が課題となっている。
モータースポーツへの参戦
トヨタは水素エンジン車の開発を加速するため、2026年からスーパー耐久シリーズに参戦する計画。実戦でのデータ収集を通じて、信頼性や性能の向上を図る。
また、同社は水素エンジン車の販売価格について、ガソリン車と同等程度に抑えることを目標に掲げている。量産効果によるコスト低減と、政府の補助金制度を活用する方針だ。
環境への貢献
水素エンジン車は、走行時にCO2を排出しないため、カーボンニュートラル実現に貢献する。さらに、水素の製造過程で再生可能エネルギーを利用すれば、Well-to-Wheel(燃料製造から走行まで)でのCO2排出も実質ゼロとなる。
トヨタは、電気自動車(EV)だけでなく、水素エンジン車や燃料電池車(FCV)など、多様なパワートレインを開発することで、様々な地域やユーザーのニーズに対応する戦略を取っている。



