関西大学は18日、長年にわたり学生の課外活動拠点として親しまれてきた学生会館「誠之館(せいしかん)群」の建替計画を正式に発表した。新施設では、2025年に開催された大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」で使用された木材を一部活用し、新たなエントランス空間を整備する。この取り組みは、万博の理念や記憶を未来へ継承する試みとして注目される。
半世紀以上愛された誠之館の課題
誠之館は、吹田市の千里山キャンパス内に2号館から8号館まであり、文化会や学術研究会、体育会などの課外活動団体の活動拠点として利用されてきた。しかし、2号館・3号館・5号館は建設から半世紀以上が経過し、施設の老朽化や活動スペース不足が深刻な課題となっていた。今回の建替計画は、これらの課題を解決し、学生の交流と成長を促進する新たな環境を整備することを目的としている。
新・誠之館のコンセプトと特徴
新・誠之館のコンセプトは「アクティブ・グリーンヒル・キャンパス」である。建築面積は約3100平方メートル、延床面積は約2万2000平方メートル、高さ約45メートルの地上11階建て鉄骨造施設として生まれ変わる。施設内には、すべての学生・教職員が利用できるトレーニングジム、共通講義空間、音楽やスポーツなどの活動機能、部室や活動拠点などが配置される。課外活動の有無を問わず、すべての学生が集い、交流できる環境を目指している。
万博「大屋根リング」の再現
新施設の大きな特徴は、大阪・関西万博でシンボルとなった「大屋根リング」の一部を再現する点である。エントランス空間には、実際に大屋根リングで使用された木材が活用され、「多様でありながら、ひとつ」というリングの理念を継承する。この空間は、回遊動線の起点として機能し、訪れる人々に万博の記憶を呼び起こすとともに、多様性と一体感を体現する場となる。
学長・理事長のコメント
高橋智幸学長は、「誠之館は学生同士が出会い、新たな挑戦や学びを生み出す場です。本計画では、課外活動の有無を問わず多様な学生が集い、交流と成長を育む環境を整備します。大阪・関西万博には本学もさまざまな形で参画してきましたが、その理念や経験を日常のキャンパスへと継承し、次代を担う学生の成長と新たな価値創造につなげていきます」と述べた。
芝井敬司理事長は、「大阪・関西万博のシンボルである大屋根リングには、『多様でありながら、ひとつ』という大切な理念が込められています。本学は、その理念と記憶を一過性のものにせず、教育の場を通じて未来へつなぐとともに、学生だけでなく万博を訪れた多くの方々にも、その価値を感じていただける場として活かしていきたいと考えています。今回の取り組みが、万博レガシー継承の新たなモデルとなることを期待しています」とコメントした。
事業概要
- 計画名称:誠之館群建替計画
- 所在地:関西大学千里山キャンパス(大阪府吹田市山手町3-3-35)
- 階数:地上11階
- 高さ:約45メートル
- 建築面積:約3100平方メートル
- 延床面積:約2万2000平方メートル
- 主な機能:大屋根リングの一部を再現したエントランス、トレーニングジム、共通講義空間、音楽・スポーツ活動機能、部室・活動拠点
- 解体工事:2026年度内完了予定
- 着工:2027年4月予定
- 竣工:2029年3月予定
関西大学は、この計画を通じて、万博のレガシーをキャンパスに取り入れ、学生の成長と地域社会への貢献を目指す。新誠之館は、単なる建替えにとどまらず、万博の理念を未来へつなぐ象徴的な施設となることが期待されている。



