テレビ離れ報道にミスリードの疑い、リアルタイム視聴だけの調査に批判
テレビ離れ報道にミスリード、リアルタイム視聴だけの調査

「テレビ離れ」報道に潜むミスリード

朝日新聞が報じた「テレビ離れの加速」という記事が、ミスリードを含む可能性があると指摘されています。コラムニストの木村隆志氏は、NHK放送文化研究所が発表した国民生活時間調査の結果を基にしたこの報道について、フラットな視点から分析しています。

調査の実態:リアルタイム視聴のみ

今回の報道のベースとなったのは、6月16日にNHK放送文化研究所が発表した国民生活時間調査の結果です。この調査は5年ごとに行われ、今回は2025年10月に実施されました。全国から無作為に選ばれた10歳以上の7200人に調査票を送り、有効回答は3795人(全体の52.7%)でした。

調査では「平日に15分以上リアルタイムでテレビを見た人」の割合が71%で、前回(2020年)より8ポイント減少。世代別では、10~15歳が42%(前回56%)、16~19歳が27%(前回47%)、20代が33%(前回51%)、30代が43%(前回63%)、40代が55%(前回68%)、50代が73%(前回83%)、60代が84%(前回94%)、70歳以上が92%(前回95%)と、全世代で減少しました。また、「全世代で割合が減ったのは、現在の調査方法となった1995年以降初めて」とされています。

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記事はさらに、「研究所はこの結果について、インターネットの動画やSNSなどの利用が増えたことが要因だとみている。一方、テレビの平均利用時間は3時間14分で、前回の3時間1分から増えた。70歳以上の利用時間が増えたことが全体を押し上げた」と締めくくっています。

ミスリードの正体

しかし、冷静に読むと疑問が湧きます。「録画や配信で見た分はテレビ番組ではないのか?」と。この調査はあくまで「リアルタイムでテレビを見た人」に限定されており、録画や配信での視聴は含まれていません。そのため、正確には「テレビ離れ」ではなく「テレビのリアルタイム視聴離れ」と言うべきでしょう。

特に、2020年代に入ってTVerなどの配信アプリや全録機器、コネクテッドTVの利用が急増している現状を無視して「テレビ離れ」と断言するのはアンフェアです。むしろ、「テレビ離れ」ではなく「放送離れ」と表現する方が適切ではないかという指摘もあります。

録画や配信を「テレビではない」とみなすことには無理があり、調査方法そのものの限界を認識する必要があります。

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