2026年夏ドラマ20作を分析、おすすめ5選を発表
2026年夏ドラマ20作分析、おすすめ5選発表

2026年夏ドラマがそろい、その質をめぐって賛否が分かれている。今夏もゴールデン・プライム帯では各局が趣向を凝らしたオリジナル作品を集結させた。業界唯一のドラマ解説者である木村隆志氏が、俳優名や視聴率などの「業界のしがらみを無視」した視点で、主要20作の傾向とおすすめ5作を挙げた。

2大続編がそろい踏み

今夏のドラマは、3年前に社会現象となった『VIVANT』(TBS系)と、28年前に学園ドラマの教師像を変えた反町隆史版『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)の続編が話題をさらっている。両作とも放送前から注目度は突出しており、その背景には「IP(知的財産)ビジネス」という共通の狙いがある。

視聴率の低下による放送収入の減少が懸念される中、各局はテレビCMに依存せず、番組をコンテンツとしていかに収益化するかが課題となっている。ドラマやアニメは、放送収入に加えて続編やスピンオフ、海外配信、映画化、舞台化、グッズ展開などで収益を上げることが生き残りの条件となっている。

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『VIVANT』は前作で「1話1億円」と言われた異例の制作費を投じ、ビジネス展開は過去最大級とされる。今作ではその姿勢がさらに進化したという。一方、原作漫画を持つ『GTO』は出版社と連携し、「過去の名作を有効活用する」戦略だ。続編の成否は視聴率だけでなく、放送・配信・出版・関連商品を含めた総合的な売上で判断されるだろう。

今後も大型企画だけでなく、一定のヒット作は続編や映画化が積極的に検討され、1990年代や2000年代のヒット作をリメイクではなく続編として復活させる動きも広がるとみられる。

在阪局の意欲作が異彩

夏は長期休暇やイベントが多く視聴習慣が安定しない時期であり、2010年代以降は無難なお仕事ドラマが選ばれる傾向が強かった。今夏も刑事、医療、法律、空港などを扱ったお仕事ドラマが並ぶ中、在阪局の3作品が異彩を放っている。

カンテレの『GTO』は、かつて夏の定番だった学園ドラマを28年ぶりに復活させる挑戦。教師と生徒、学校と社会の変化を描く難しさがある。読売テレビの『一次元の挿し木』は、ヒマラヤで発掘された200年前の人骨が失踪した妹のDNAと一致するというミステリーで、遺伝子学を扱い難解な内容。ABCの『マイ・フィクション』は、主人公が目覚めたら妻に忘れられ、他人が自分になりすましていたというサスペンスだ。

特に『一次元の挿し木』(日曜22時30分)と『マイ・フィクション』(日曜22時15分)はほぼ同じ時間帯で放送され、長編ミステリー&サスペンスでSTARTOのアイドルを主演に据えるなど、かなりの重複が見られる。日本テレビやテレビ朝日では考えられないことで、在阪局の自由さが表れている。

おすすめ5作品

これらの傾向を踏まえ、今クールのおすすめは『VIVANT』『さよならノワール』『マイ・フィクション』の3作。『VIVANT』はキャスティング、国内外の長期ロケ、2クールの放送期間などでスケールアップしており、考察や映像、豪華キャストを楽しめる。『さよならノワール』は被害者に寄り添う主人公が新鮮で、プロデュース全体の質が高い。『マイ・フィクション』は記憶をめぐる振り切った物語と俳優陣の怪しい演技が魅力だ。

さらに、『Tシャツが乾くまで』は生方美久の繊細な脚本と蒼井優、中島歩の演技が素晴らしいが、セリフの多さで好みが分かれるため4番手とした。『Tokyo middle 30』は、のんの本格復帰作となる女性の群像劇でおすすめできる。

視聴率や先入観だけで判断せず、TVerや各局の動画配信サービスでチェックしてみてはいかがだろうか。なお、おすすめ5作は以下の通り。

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  • No.1 VIVANT(TBS系 日曜21時)
  • No.2 さよならノワール(フジ系 火曜21時)
  • No.3 マイ・フィクション(ABC・テレ朝系 日曜22時15分)
  • No.4 Tシャツが乾くまで(TBS系 金曜22時)
  • No.5 Tokyo middle 30(フジ系 水曜22時)