歌手の鈴木雅之が、ソロデビュー40周年を記念し、70歳の誕生日となる今月22日に、アナログ盤ボックス「MARTINI RECORDS COLLECTION」(ソニー)をリリースする。ソロの初期アルバム3枚と、ヒット曲を厳選して編成した「MASTERPIECES」の4枚組みという豪華版だ。「ボーカリストとしての鈴木雅之を見直す原点になってほしい」と語る。
40年のソロ活動で一貫したスタンス
40年のソロ活動の中で、「ボーカリストとしてラブソングを丁寧に届けるというスタンスは一貫してきた」と胸を張る。一方で、サウンドには時代による変遷が見られる。
例えば、1枚目のアルバム「mother of pearl」は、かなりデジタル色が強いサウンドで構成されている。2枚目の「Radio Days」では山下達郎、3枚目の「Dear Tears」では小田和正をプロデューサーとして迎えた曲もあり、趣向が凝らされている。「達郎さんや小田さんから普遍的なラブソングの作り方を学んだことは自分の武器になった」と振り返る。
デュエット曲と原点
「MASTERPIECES」には自身のライフワークとして取り組んできたデュエット曲もあり、鈴木愛理と歌った「DADDY! DADDY! DO!」や、「『渋谷』と歌いたい」という率直な思いつきで渋谷凪咲とリメイクした「渋谷で5時」も収録した。デュエットでは「エスコートする気持ちはとても大事にしてます。ちょっとエレガントな気持ちというかね」と、後輩の歌手たちをリードしながら曲を歌い上げてきた。
デュエットの原風景は、幼少期にある。姉・鈴木聖美と洋楽に親しむ中で、「お姉ちゃんが英語をカタカナにしてくれて一緒に歌った。そんな音楽の遊びが原点」と語る。誕生日の東京国際フォーラムでのコンサートでは、姉弟共演のほか、篠原涼子ら豪華な歌姫たちが多数出演し、花を添える。
アナログ盤への思いと70代のテーマ
アナログレコードに幼少期から親しんできた世代でもある。「小学生の時、お年玉で初めて自分でレコードを買った。封を開けてターンテーブルに乗せて針を落とす……そのわくわく感を味わっているわけですよ」と懐かしむ。「アナログ盤は額縁に飾っておけるアート感覚もある。音でもジャケットでも楽しんで、という良さを提示できたら意味のあることだと思う」
アニメソングにも進出し、新たなファンを獲得するなどした60代を、「いろんな目標を考えてチャレンジすることはとても大事だと改めて思えた」と振り返る。70代のテーマは「何のために生きるかより、誰のために生きるか」と定めた。「歌を聴きに来てくれる人の思いを心と体に刻んで、音楽に託すことが大事なのかな」とさらに先を見据えている。



