エベーヌ弦楽四重奏団、結成25年で進化「要素そろった」
エベーヌ弦楽四重奏団、結成25年で進化

世界トップクラスの実力を誇るエベーヌ弦楽四重奏団が6月、東京・赤坂のサントリーホールで開かれた「チェンバーミュージック・ガーデン」での演奏会のため来日した。結成から四半世紀がたち、メンバー交代も経て活躍するカルテットは、今なお進化を続けている。

ベートーベン全曲演奏への挑戦

演奏会では、6日間にわたってベートーベンの弦楽四重奏曲全曲を披露した。近年はなかなか全曲演奏の機会がなかったといい、満を持して迎えた東京公演。創立メンバーで第1バイオリンのピエール・コロンベ(47)は、「全て夢見ていた演奏ができるわけではない。ベートーベンチクルス(全曲演奏)をやることは、大きな喜びと同時にフラストレーションも感じる」と打ち明ける。厳しい自己反省を次への糧とするようだ。

結成からの歩みとメンバー交代

1999年にフランスで結成。当時はメンバーも若く、コロンベは「本能を原動力にしていた。(クラシック以外の)ほかの音楽にも情熱を持ち、自分たちをロックバンドのように捉えていた」と振り返る。

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長い年月が経過し、エベーヌの音楽は着実に表現力を増してきた。メンバー交代もあった。ビオラのマリー・シレムは2017年に、チェロの岡本侑也(31)は24年に加わった。「マリーが高いレベルの演奏を、岡本さんが安定感をもたらしてくれた」とコロンベがたたえれば、岡本も「エベーヌのサウンドの作り方や音楽の解釈に憧れていたが、演奏する側としてなじんできた。いろいろなジャンルの音楽の要素が生かされているのが特徴的」と応じる。

リハーサルと指導者との出会い

今回の公演前の会場リハーサルでは、コロンベを中心に談論風発の雰囲気の中で最終確認を行っていた。シレムが時折、客席から音の聞こえ方を確かめ、メンバーへと伝える。良好な関係と信頼が見受けられた。

さらに、指導者やほかの弦楽四重奏団との出会いが音楽に深みをもたらした。曲の構造や音楽の持つ意味を考えるようになり、「知性」の加わった演奏へと進化したという。今年1月には、ベルチャ弦楽四重奏団と八重奏のアルバムをリリース。異なる個性を持つが、演奏会も共にしながら高め合ってきた。

現在地への確信

コロンベはエベーヌの現在地を、こう表現した。「我々の演奏に必要な要素が今、全てそろった気がします。安定した土台があることで木が成長し、根も地につき、葉は自由になびくことができる。そんなカルテットになれたと思うんです」

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